研究課題/領域番号 |
24603028
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
水口 充 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 教授 (60415859)
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キーワード | メディア表現 / ユーザインタフェース / コンテンツ処理 / メディアインタラクション / タイポグラフィ / 電子書籍 |
研究概要 |
本研究の目的は、書物の読み方及び作者の意図する表現を中心に据え、物理的制約にとらわれない電子書籍時代のタイポグラフィ技法を模索することにある。そのために、1.コンテンツレイアウト手法、2.コンテンツ記述手法と処理系、3.インタラクション手法、の3項目について、平成25年度は下記の研究開発を行った。 1.コンテンツレイアウト手法については、前年度に実装した1行のみの表示でスクロールする閲覧ソフトウェアを拡張し、縦書き表示機能、表示領域の中心に近いほど文字を拡大表示するズーミング表示機能を実装した。また、読解時のコンテキストを与えるため、読解中の段落の前後の段落も同時に表示する複数行のスクロールビューアを実装した。実際に書籍を読み進めて有効性や問題点の抽出を行っている。 2.コンテンツ処理系については、スクロール方法を制御するコンテンツ記述手法の検討を開始した。スクロールの制御方法としては一旦停止や高速・スロー再生といった速度制御と、文字間の空白量による空間制御が考えられる。これらを調整することによって場面切り替えや強調といった演出効果が見込める。制御記述はコンテンツ制作者が意図的に行う他、文章表現から自動的に生成する方法を検討している。 3.インタラクション手法については、前年度に実装したスクロールビューアについて可読性を評価するために、まず文節間に空白を挿入して表示する分かち書きの効果を調査した。その結果、最適な分かち書き量は個人に依存するものの可読性が向上することが分かった。また、先行研究でも調査されているとおり、スクロール表示においては十数文字程度の表示で十分な可読性があることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた研究項目について優先順位を見直し、コンテンツレイアウト手法における複数行のスクロールビューアの開発を優先してコンテンツ記述方法と処理系を後回しにしたが全体的には順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は当初の計画に沿って、1.コンテンツレイアウト手法、2.コンテンツ記述手法と処理系、3.インタラクション手法、の3項目について以下のように進める。 1.コンテンツレイアウト手法については、並行して開発するコンテンツ記述手法と処理系を利用し、プレインテキストデータとして記述されている既存コンテンツの変換表示、および記述手法を利用した新たなコンテンツのオーサリングについて、読解支援手法と表現手法を中心に開発とテストを行う。また、複数行による2次元的なレイアウトのスクロールビューアについて利用実験を通じて改良を図る。 2.コンテンツ記述手法と処理系については、これまでに検討した制御方法と記述方法、および記述の自動生成手法について開発する。また、コンテンツの記述実験により表現の可能性を調査する。 3.インタラクション手法については、前年度に引き続き操作性と可読性の評価実験を行う。また、各種スレート型端末、情報キオスクのような大画面表示、ヘッドマウントディスプレイや小型ディスプレイなどのウェアラブル端末などで動作させてどのようなユーザ体験となるかを調査分析する。 また、ビューアのアプリとソースコードを公開する。
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