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2012 年度 実施状況報告書

ソーシャルネットワーキングシステムを活用したデジタルドキュメンテーションの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24603032
研究種目

基盤研究(C)

研究機関神戸芸術工科大学

研究代表者

曽和 具之  神戸芸術工科大学, デザイン学部, 准教授 (00341016)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードドキュメンテーション / マルチメディア / 地域づくり
研究概要

平成24年度においては、主に、東日本大震災において被災した地域を対象に、子どもたちが主体となって地域再生を行うプロジェクトと協働してドキュメンテーションを行った。研究実施計画に基づく成果は、以下の通りである。
(1)ドキュメンテーション機器の策定・運用:平成24年度に導入したビデオカメラおよびデジタルカメラにおいては、動画の取り込み時間を従来の1~2分(1080p, 約30秒動画)から十数秒に短縮することができた。このため、動画および写真の撮影ムラが大幅に短縮された。また、64bitアプリケーションの導入と、SSIDによる記録方式への変更により、コンピュータ取り込み後の編集・レンダリング時間を従来より10分から、最大30分を短縮することができた。また、データの蓄積においても、大容量ハードディスクの導入とクラウド技術を併用することで、動画データの交換を大幅に短縮することに成功した。この結果、ワークショップにおいて制作されたドキュメンテーションを、その場で参加者と共有することができたとともに、ネットワーク上での速やかなデータ共有が可能になり、子どもたちによるドキュメンテーションへの参加を促すことも可能となった。
(2)ドキュメンテーションスタッフのリテラシー教育:東日本大震災における地域再生プロジェクトは、年間を通じて行われており、平成24年度においては、宮城県石巻市、岩手県陸前高田市、岩手県山田町の3地域において、ドキュメンテーションを行った。実際のドキュメンテーションには、大学生スタッフが担当し、現地の復興プロジェクトスタッフの協力のもと、実践することができた。また、プロジェクトに参加する子どもたちを対象にドキュメンテーション講習を行うことで、大学生スタッフのドキュメンテーション・リテラシーとともに、子どもたちの興味・関心も喚起することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)ドキュメンテーション機器の策定・運用
平成24年度において導入した機器は以下の通りである。ビデオカメラ「SONY ハンディカム HDR-CX720V」:手ぶれ補正機能が大幅に改良されたモデル。1080p対応、SDクラス10対応により、高画質・高速読み取りが可能になった。リアルタイム・ドキュメンテーションに導入したことにより、従来のビデオカメラに比べ、数秒から数十秒、読み取り速度が向上した。読み取り速度の向上により、取りこぼしの発生していた事項について、十分な記録時間を確保することができるようになった。また、4TBのハードディスクをRAID管理することで、大容量かつ高速読み書き可能なデータ管理環境を整備した。結果、1イベントあたり100GBを要する動画のコピータイムを最大で数時間短縮することに成功した。また、クラウド型のデータ共有システムを導入し、容量を50GB持たせることで、制作したドキュメンテーションコンテンツを、参加者全員で共有するシステムを構築することができた。
(2)ドキュメンテーションスタッフのリテラシー教育
ドキュメンテーションスタッフ育成のために、週1回のワークショップに参加し、記録・編集を行った。また、前述のクラウド共有システムを活用し、制作されたビデオ・ドキュメンテーションについて、ワークショップ開催者および参加者からの意見や視座を取り込んだ編集環境を構築することで、ドキュメンテーションを制作する上で重要となる、観察力・読解力・説明力を向上することができた。また、ドキュメンテーション教育を小学生および中学生に対しても行うことで、ワークショップ全体における、ドキュメンテーション制作環境の整備も行うことができた。

今後の研究の推進方策

平成25年度においては、昨年度までに得られたドキュメンテーションデータを元に、以下のデータ整理・分析を行う。具体的なデータとしては、東日本大震災による影響を受け、現在、まちづくり活動を子どもたち主体で行っている地域におけるドキュメンテーションデータを活用する。
(1)子どもたちのワークショップへの取り組みの変化:年を追うごとに、一般的な震災への関心は薄れ行く。その中で、実体験を持った子どもたちの活動をドキュメンテーションし、データを共有することによる、子どもたちの成長過程を整理・分析する。
(2)蓄積データの活用
平成24年度現在で約16TBとなった活動データを、子どもたちが活用することのできるネットワーク環境を整備する。また、日本のみならず、世界の同じ体験を有する子どもたちとのネットワークを構築するために、英語をはじめとするマルチリンガルなドキュメンテーション環境を整備する。
(3)国際学会等での発表および実践
国際学会などにおいて、リアルタイム・ドキュメンテーションを発表・実践することで、体験の共有を視覚情報ベースで行うことのできる、ドキュメンテーション環境を構築する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] パーソナルヘルスレコードにおけるグランドデザイン 患者・医者・情報管理者をつなぐ情報サイトの設計2012

    • 著者名/発表者名
      福崎千晃、曽和具之、矢野孝一
    • 雑誌名

      神戸芸術工科大学紀要

      巻: 1 ページ: 1-17

    • 査読あり
  • [学会発表] PHR システムにおけるGUI デザイン2012

    • 著者名/発表者名
      福崎千晃、曽和具之
    • 学会等名
      日本デザイン学会
    • 発表場所
      札幌市立大学
    • 年月日
      20120623-20120625
  • [図書] プレイフル・ラーニング2012

    • 著者名/発表者名
      上田伸行、中原淳、曽和具之他
    • 総ページ数
      3
    • 出版者
      三省堂
  • [図書] 人材教育2012

    • 著者名/発表者名
      曽和具之他
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      日本能率協会マネジメントセンター
  • [備考] 東日本復興支援

    • URL

      http://www.savechildren.or.jp/jpnem/jpn/index.html

  • [備考] 一般財団法人 教育支援グローバル基金

    • URL

      http://beyond-tomorrow.org

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公開日: 2014-07-24  

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