年齢とともに服用する薬剤種類数は増える傾向にあり、日本の類似性の高い処方薬を識別するのは容易ではない。そこで、日本の薬剤の識別性を向上させる背景色を採用し、薬専用の服薬トレーを身体的特性の違いにかかわらず使いやすいユニバーサルデザイン視点で開発した。ユーザビリティー調査によって、そのデザインが服薬ミスの低下、残薬の低減に有効であることが明らかになった。さらに、正常色覚、白内障だけでなく、色弱患者にとっても有効な背景色を検証した結果、ダークグレー、ミディアムグレーに加え、青(lt18)が有効であった。色覚の特性や好みに応じて自由に選択できる服薬トレーを普及し、服薬安全を目指したい。
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