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2013 年度 実施状況報告書

医療過誤防止と服薬アドヒアランス向上に資する医薬品カラーデザイン戦略の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24603034
研究機関兵庫医療大学

研究代表者

前田 初男  兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (00229311)

研究分担者 石崎 真紀子  兵庫医療大学, 薬学部, 研究員 (20623979)
キーワードカラーユニバーサルデザイン / 錠剤 / 色彩 / 嗜好性 / 錠剤色
研究概要

前年度に確立した方法に基づき,微結晶セルロース (98 w/w%) とステアリン酸マグネシウム (2 w/w%) からなる賦形剤とアルミニウムレーキ(赤 3 号,青 1 号,青 2 号,黄 4 号,黄 5 号,緑 3 号)の混合物を打錠することにより,68 種類の色彩から錠剤を作成した.評価実験は,これらの錠剤について,被験者が,医薬品またはお菓子をイメージしつつ,「抵抗なく飲める(食べられる)」,「抵抗あるが飲める(食べられる)」,「できれば飲みたくない(食べたくない)」,「絶対に飲みたくない(食べたくない)」の4グループに分けることにより実施した.被験者としては,20 歳代 34 名,30 歳代 26 名,40 歳代 10 名,50 歳代 8 名の合計 78 名が参加した.現在まで青系錠剤群(18 色),緑系錠剤群(15 色)および赤系錠剤(10 色)から得られた結果をスコア化し,(イメージ)X(錠剤色)X(年代)について三要因分散分析を SPSS を用いて行った.その結果,錠剤3色群すべてにおいて(錠剤色)に対して有意な嗜好性が観察されたが,(イメージ)X(錠剤色)に対して有為な効果が得られたのは緑系錠剤群のみであった.なお,(世代),(イメージ),(世代)X(錠剤色),(イメージ)X(錠剤色)X(年代)については有意な結果は得られなかった.そこで,有意な効果が示された(錠剤色)について下位検定を行ったところ,それら錠剤 3 色群について,得られたスコアと明度の間に良好な相関が観察された.多重比較により得られた有意差を指標として判断したところ,青系錠剤では明度 7.5 以上の,緑系錠剤と赤系錠剤では明度 7.0 以上の色彩の錠剤が有意に服用しやすい(食べやすい)ことが示され,錠剤色の嗜好性に対して明度が重要な役割を担っていることが明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度に確立した錠剤作製法を活用し,様々な色彩の錠剤について,評価実験を計画どおりに実施できた.

今後の研究の推進方策

40歳代~60歳代の被験者の数を20名以上を目標として,評価実験を更に実施することにより,より精度の高い錠剤色に関する嗜好性を確立するとともに,錠剤として作成しにくい色彩について色票を用いて検討することにより,医薬品として服用できる色彩について指標を確立する.

次年度の研究費の使用計画

40歳代~60歳代の被験者について予定していた数を確保できず,この年代における評価実験を n = 20 以上で実施できなかったため,次年度使用額が生じた.
平成26年度には,20名以上を目標に,40歳代,50歳代,60歳以上の被験者による評価実験を行うため,その実験に必要な謝礼,物品等に使用する予定である.

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公開日: 2015-05-28  

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