研究課題/領域番号 |
24603035
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
井上 勝雄 広島国際大学, 心理科学部, 教授 (00352021)
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研究分担者 |
加島 智子 近畿大学, 工学部, 講師 (30581219)
広川 美津雄 東海大学, 教育研究所, 教授 (40279758)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ユーザインターフェース / 感性情報学 / ソフトコンピューティング |
研究概要 |
1.インタフェースデザイン設計論からのアプローチ:直感的なインタフェースデザイン関する文献調査とアンケート調査を行い、その結果を踏まえて、それらの要因となっているものは「知覚と行為のカップリング」が関与していることを明らかにした。その結果を踏まえ、それをインタフェースデザイン設計論に還元するために、心理学の「体制化の法則」(群化、まとまりの法則:law of organization)を拡張した考え方を採用した。その体制化の内容を「形態の体制化」と「意味の体制化」、「行為の体制化」に3種類に分類して定義した。その研究内容を、第59回日本デザイン学会と第14回日本感性工学会大会、第8回日本感性工学会春季大会で口頭発表を行った。 2.心理学からのアプローチ:情報機器の親近性が直感的な操作の発動に影響するという研究を踏まえて、直感に関係する知覚の親近性や身体性に関する文献調査を行い関係の論文を取得した。その結果を踏まえて実験計画を立案した。その計画の中の親近性と行動誘発性(アファーダンス)を直感的操作の要因とする実験、具体的には、一般的には前頭葉機能検査法として知られている「Wisconsin Card Sorting Test」による基礎的実験を行った。その分析結果を2013年8月開催予定の「5th IASDR 2013 Tokyo」(日本デザイン学会主催)で発表する予定である。 3.評価・検証:プロトタイプを用いた実験から得られた操作履歴データを階層的なグラフ化することでインタフェースデザインの問題点を定量的に抽出する手法が投稿論文(日本デザイン学会)として採録になった。また、操作履歴データから階層的にグラフ化するプログラムの改良版を開発した。他方、心理実験と連携した実験環境の構築を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インタフェースデザイン設計論からのアプローチでは、設計論の基礎となる考え方が確立できた。心理学からのアプローチでは、ほぼ計画通り、心理的検査法を用いた実験を実施した。評価・検証では、計画に従いプロトタイプ制作環境を準備することができた。
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今後の研究の推進方策 |
インタフェースデザイン設計論からのアプローチでは、知覚と行為のカップリングをもとに定義した3種類の体制化の考え方の内容を、心理的な実験結果をもとに充実を図る。 心理学からのアプローチでは、既存の心理的検査法などのソフトを改良し、インタフェースという視点から、直感に関係する知覚の親近性や身体性を、実験的により深く明らかにする。 評価・検証では、その定義内容を確認するサンプルのプロトタイプを作成し評価実験を行う。その評価の際に階層的グラフ化の手法だけでなく、心理実験用のソフトも用いて行う。その結果を踏まえて、直感的なインタフェース評価法の確立も行う。 以上の結果をもとに、現場のデザイナーが直感的なインタフェースデザインを設計する際の手引となるガイドライン化を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の主たる費目は、研究内容の成果を日本デザイン学会(6月)と” 5th IASDR 2013 Tokyo”(8月)、日本感性工学会(9月)を中心に関係学会に口頭発表と代表者と分担者らと研究打ち合わせを行う旅費などの経費である。また、実験やプロトタイプ制作に必要な消耗品である。
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