研究課題/領域番号 |
24604002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森石 武史 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20380983)
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研究分担者 |
小守 壽文 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00252677)
宮崎 敏博 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10174161)
福田 理香 活水女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30312838)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 骨細胞 / メカニカルストレス / 破骨細胞分化 / 骨芽細胞 |
研究概要 |
【マイクロアレイを用いた解析】 4ヶ月齢・雄・野生型マウスとBcl-2 tgマウスをそれぞれ『対象群』と『尾部懸垂群』に分け、尾部懸垂群は3日間の尾部懸垂を行った。実験終了後、マウスの後肢長管骨の骨端を切断し、骨髄をPBSで洗い流した後、歯間ブラシを用い、内骨膜骨芽細胞を分離した。分離した骨芽細胞からRNAを抽出し、マイクロアレイで発現を比較した。その結果、野生型マウスの対照群に対し尾部懸垂群で発現が変動した遺伝子群(2倍以上発現が上昇したもの、または2分の1以下に発現が低下したもの)と、Bcl-2 tgマウスで発現が変動しなかった遺伝子群に共通する候補遺伝子を、これまでに知られている機能や発現パターンから50遺伝子程に絞り込んだ。その後、尾部懸垂サンプルの骨芽細胞分画cDNAを用いてリアルタイムPCRで発現の再現性を確認し、候補遺伝子を10数遺伝子に絞り込んだ。 【野生型マウスおよびBcl-2 tgマウスを用いた運動負荷実験】 4ヶ月齢・雄・野生型マウスおよびBcl-2 tgマウスとそれぞれ『対象群』と『トレッド・ミル群』に分け、トレッド・ミル(夏目製作所 RM-5)を用い、12m/分の速度で1日30分、5日/週で6週間の運動負荷実験を行った。実験終了後、μCTを用い大腿骨遠心部二次海綿骨を解析すると、野生型マウスで有意に骨量が増加し、Bcl-2 tgマウスでは骨量の増加が認められなかった。現在、長管骨の骨芽細胞分画よりRNAを取り、(1)で絞り込んだ遺伝子の発現を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Bcl-2 tgは成長につれて骨細胞ネットワークが途絶していくのが大きな表現型であり、その骨細胞ネットワークの機能を解析するには、4ヶ月齢が最も適当であると考えている。尾部懸垂実験およびトレッドミル実験で使用するマウスの準備に当初の予想以上に時間がかかり、平成24年度の計画の遂行が若干遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)リアルタイムPCRを用いた候補遺伝子発現の再現性確認 (2)候補遺伝子の局在の確認 再現性が認められた候補遺伝子のcDNAの一部をpBluescripts KS(-)に導入し、digoxigenin(DIG) 11-dUTPで標識したのち、T3、T7ポリメラーゼのいずれかを用いてin vitro 転写で合成し、プローブを作製する。尾部懸垂実験サンプルおよびトレッド・ミル(夏目製作所 RM-5)で運動負荷をかけた4ヶ月齢・雄・野生型マウスおよびBcl-2 tgマウスの大腿骨よりパラフィン切片を作製し、in situハイブリダイゼーションを行い、候補遺伝子の発現細胞を特定する。 (3)候補遺伝子の絞り込み リアルタイムPCRで発現の再現性が得られ骨芽細胞系細胞に発現が認められた遺伝子について、培養骨芽細胞を用いた機能解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
・リアルタイムPCRの試薬 ・in situハイブリダイゼーションで用いる試薬 ・培養用プラスチック器具 ・ガラス器具 ・マウス維持費
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