生命科学の進展に対応した規範創生のために、学際的な多分野融合アプローチを試みた。研究開始当初に設定したサブテーマ「ヒト胚」「ゲノム」「脳科学」は、二年目から「生まれくることをめぐる生命倫理」「生きられる体験としての生命倫理」に再編された。前者に関しては、海外から1名の研究者を3年連続で招聘したことで、議論を深めることが出来た。後者に関しては、ヒアリング調査をふまえた継続的な検討の場を設けた。それらの結果、「ケアの倫理」や「ナラティブエシックス」という観点を踏まえ、「当事者体験」を取り込みつつ、生命科学の進展に送れないような新たな規範を創生していくことの重要性が示唆された。
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