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2013 年度 実施状況報告書

現場ニーズに即した実効性のある「臨床倫理サポート」体制の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24610005
研究機関宮崎大学

研究代表者

板井 孝一郎  宮崎大学, 医学部, 教授 (70347053)

キーワード臨床倫理コンサルテーション / 臨床倫理コンサルタント / 臨床倫理サポート / 臨床倫理部 / 臨床倫理委員会
研究概要

25年度は、24年度の調査を受けて、米国・英国で期待されているコア・コンピテンシーの内容(特に「3つのカテゴリー」)と比較対照し、その共通性と日本の医療現場からのニーズの独自性に関する考察を行うことを予定していた。しかしながら、英国のコア・コンピテンシー・モデルの原型となっているASBHのコア・コンピテンシーに関連して、2013年10月、E.Kodisch, J.FinsらによってTHE HASTING CENTER REPORTにQuality Attestation for Clinical Ethics Consultations: A Two Step Model from the American Society for Bioethics and Humanitiesと題する論文が公表され、これにより、従前のコア・コンピテンシーに関する評価指標が大幅に改められる事態となった。そこで英国のみに限定せず、米国、ノルウェー、スイス、イタリア、英国、ならびに日本と同じく倫理コンサルタントに関して「後進国」と考えられるトルコ、サウジ・アラビア等、中東諸国における倫理コンサルタントに関する先行研究を含め精査し直すと共に、昨年度同様、宮崎大学医学部付属病院に平成24年度に新設された中央診療部門「臨床倫理部」において、平成24年4月~平成26年3月までに寄せられた臨床倫理コンサルテーションの相談内容(全63件を解析することにより、コンピテンシー評価指標として適切と考えられるカテゴリー抽出を実施した。臨床倫理部において最も多数を占めていたものは、「適応外医療に関するもの:31件」であったが、これは日本の医療制度・診療報酬制度に特有の問題であるとも言いうる観点から除外するならば、トップ3は以下の通り。1.医学的適応のある治療方針と患者・家族の意向との不一致:11件、2.延命治療の差し控え・中止の問題:6件、3.病名告知に関わるもの:3件。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度からアンケート・デザインの再検討が必要となった背景や、さらに2013年10月にE.Kodisch, J.FinsらによってTHE HASTING CENTER REPORTにQuality Attestation for Clinical Ethics Consultations: A Two Step Model from the American Society for Bioethics and Humanitiesと題する論文が公表され、これにより、従前のコア・コンピテンシーに関する評価指標が大幅に改められる事態となったことに加え、宮崎大学大学院医学獣医学総合研究科の再編、および国内初の大学院修士課程「生命倫理コーディネーター」高度職業人養成コースの新設が急遽2014年4月スタートとして決定したため、その準備に向け、コース長1名のみのため想定外に業務が増加し、また平成24年に創設された附属病院臨床倫理部の部長としての倫理コンサルテーションの対応もあり、予定通りの進捗を図れなかった。

今後の研究の推進方策

2013年10月、E.Kodisch, J.FinsらによってTHE HASTING CENTER REPORTにQuality Attestation for Clinical Ethics Consultations: A Two Step Model from the American Society for Bioethics and Humanitiesと題する論文が公表され、これにより、従前のコア・コンピテンシーに関する評価指標が大幅に改められる事態となったことを踏まえ、当初の調査対象であった英国のみに限定せず、米国、ノルウェー、スイス、イタリア、英国、ならびに日本と同じく倫理コンサルタントに関して「後進国」と考えられるトルコ、サウジ・アラビア等、中東諸国における倫理コンサルタントに関する先行研究を含め精査し直し、宮崎大学医学部附属病院における倫理コンサルテーションの実績、および宮崎市内の公立・民間病院の協力を得て、倫理コンサルタントの資質、倫理コンサルテーションを実施を阻害する要因の分析を実施する。可能であれば夏季休暇を利用して、渡英し、UK Clinical Ethics Networkのメンバーと協議を行いたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 医療安全管理業務としての臨床倫理コンサルテーション2014

    • 著者名/発表者名
      板井孝一郎
    • 雑誌名

      臨床倫理

      巻: No.2 ページ: 2-12

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 事前指示について2013

    • 著者名/発表者名
      板井孝一郎
    • 雑誌名

      内科

      巻: Vol.112,No.6 ページ: 1372-1376

    • 査読あり
  • [学会発表] 現場実践に活かす「臨床倫理」の考え方2014

    • 著者名/発表者名
      板井孝一郎
    • 学会等名
      日本在宅医学会第16回大会
    • 発表場所
      グランドホテル浜松
    • 年月日
      20140301-20140302
  • [図書] シリーズ生命倫理学第16巻「医療情報」2013

    • 著者名/発表者名
      板井孝一郎、村岡潔
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      丸善出版

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公開日: 2015-05-28  

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