本研究は、非親族のドナーから報奨金と引き換えに腎提供を受ける生体腎移植プログラムが施行されているイランをフィールドとし、現地情報をもとに、臓器移植をめぐる富と資源の分配の公正性の問題を分析することを目的とした。 研究期間中にイランでの現地調査を4回おこない、イスラーム法学の見解も視野に入れながら、医療資源の分配の倫理に関する情報と、臓器移植の倫理的議論に関する資料を収集した。他国の状況や他の臓器・組織の提供に関する議論と比較しながら分析するため、ドナー、レシピエント、関連機関の職員を対象としたインタビュー調査も実施した。
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