本研究班は、前年度に引き続いて、医学哲学・生命倫理担当の村岡(研究代表者)と生命倫理・医事法担当の粟屋(研究分担者)及び、法務・医事法担当の山下(研究分担者)が、医師の裁量のあり方について、前半期は、倫理・法・社会的視点から相互に情報交換や議論を行なってきた。3年目の研究成果については、前期本研究班研究会(2014年8月10日:釧路市にて)を行い、村岡が「「先制医療」の理論的構造」を、粟屋が「精子提供(特に、夫の死後生殖、義父の精子提供)における医師の裁量と生命倫理」を山下が「療法選択における医師の裁量-インフォームド・コンセント、診療ガイドラインとの関連に焦点を当てて」を報告した。また、研究成果の社会的還元として同時期開催された市民公開の「釧路国際生命倫理サマースクール」2014年において、村岡及び粟屋が8月10日それぞれ「患者-医療者関係」と「臓器移植と生命倫理」、山下が11日「インフォームド・コンセント」について講演した。 また、3年間の総まとめとしては、第26回日本生命倫理学会(2014年10月26―27日、浜松市)にて、村岡が「『先制医療』の生命倫理的問題について」と題して、また、第33回日本医学哲学・倫理学会年次大会(2014年11月22日;東京、東洋大学)において「『先制医療』の理論的構造について」ついて発表し、さらに11月24日同学会主催の国際学会2014 International Conference of the Japanese Association for Philosophical and Ethical Researches in Medicineにおいて“Why Does “Preemptive Medicine” Matter to Bioethics?”と題した発表をも行なった。
|