本研究は、文化遺産保護にコンテンツツーリズムが貢献可能か、検討を行ったものである。具体的には、複数の国内・海外事例を取り上げ、ポップカルチャー・コンテンツが、地域の文化遺産価値への感性的アクセスを高めるメカニズムについて分析を行った。 その結果、ポップカルチャー・コンテンツをきっかけとしつつも、来訪者の文化遺産に対する感性的なアクセスを高めていくためには、地域住民との現地での交流が極めて重要な役割を果たしていることが明らかとなった。そしてこうした交流の継続には、地域社会とコンテンツ製作者との協力体制、来訪者が地域の活動へ参加し創造性を発揮できる仕組み、が重要であることも指摘した。
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