種差海岸は馬の放牧など伝統的な土地利用に基づいてつくられた自然景観である。馬の放牧終了後、その美しさの保持には住民による管理が不可欠であり、八戸市内の多様な主体の参加により意思決定と作業が実行されてきた。この管理継続の要因は基礎自治体が主導権を発揮しやすい国の名勝制度が用いられたことに起因している。震災後、種差海岸は国立公園に指定され、以前のガバナンスを変更しなければならない可能性が生じた。しかしながら国立公園当局者側は、種差海岸のこれまでのガバナンスの有効性を明確に認識しており、これまでのガバナンス体制を保持・強化に取り組んでおり、国立公園においても参加型ガバナンス構築の可能性が示唆された。
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