研究概要 |
平成25年度は、欧州における広域観光ネットワークについての調査を実施している研究者との情報共有・意見交換、及び文献調査等による政策動向の把握を行った。具体的な内容は以下の通りである。 (欧州における広域観光ネットワークについての意見交換) 香港理工大学のMarkus Schuckert博士と欧州における広域観光ネットワークについて意見交換を実施した。近年のネットワークの特徴として、各ネットワークの目的がより細分化し多様化していること、気候変動が重要なファクターとなっていること、マーケティングの観点からのネットワークの役割が重要になりつつあること、などの情報を共有した。また研究対象ネットワークのひとつであるAlpine PearlsについてMarkus Schuckert博士は、マーケティングに特化した組織に転換した方が特徴を活かせるとみているが、政策形成体としての特徴が強くなっており、目的と現状の間に乖離が出てきているとの見解を示している。また組織そのものの特徴についての把握はできているが、組織に加入している地域レベルでのインパクトについては今後把握していくことが課題である。 (政策動向の把握) EUにおける2014-2020年の地域政策の概略と地域政策における広域の地域間協力の状況把握を行った。EUでは欧州戦略2020における、1. smart growth, croissance intelligente, 2.sustainable growth, croissance soutenable, 3.inclucive growth,croissance inclusiveに基づき、2014年以降も地域間協力への予算を増額し、より広域の連携に力を注ぐ傾向にあることがわかった。
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