研究課題/領域番号 |
24611004
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀 繁 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (90143403)
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キーワード | ホスピタリティ・デザイン / ホスピタリティ表現 / 観光地整備 / 活性化 |
研究概要 |
集客につながる観光地の魅力が国宝や世界遺産、国立公園などの「資源」を主とするのであれば、資源はすぐに作れるものではないので、多くの疲弊している観光地はなかなか活性化できないということになる。しかしよく観察していると、多く集客している観光地では、道路などの公共空間でも、人を誘いもてなす表現、つまり、ホスピタリティ表現が多いことに気が付く。観光地の魅力がこの「ホスピタリティを表現することを目指したデザイン」をホスピタリティ・デザインと定義して、ホスピタリティ・デザインを観光地整備に使えるように整理しようとするものである。本年度は昨年に引き続き事例収集をおこない、新たに商業施設では、「三種の神器型」「入口舗装型」公共空間では「ベンチ高密度配置型」「区画線非直線型」などを整理した。加えて、それぞれの型ごとのホスピタリティ・デザインの形を整理し、それを基にデザイン原則を整理しつつある。 例えば「三種の神器型」では「挨拶の装置:迎客の装置:集客の装置=3:2:1」である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画ではホスピタリティ表現の型整理と同時並行でホスピタリティ・デザインの整理を行うこととしていたが、ホスピタリティ表現の型整理を十分おこなってある程度体系化した後の方が、デザインの整理がスムーズにいくと途中で考えるようになった。そこで、初年次はホスピタリティ表現の方の整理を中心に行い、その型に基づいて二年次はホスピタリティ・デザインの整理をおこなってきた。型の整理の後にデザインの整理をおこなうことでより体系的に整理できている。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画通り、ホスピタリティ表現の型の整理体系化、ホスピタリティ表現を実現するためのホスピタリティ・デザインの要点の整理等をおこなっていき、ホスピタリティ・デザインの原則を取りまとめ、概念を整理し、ホスピタリティ・デザインを構築して、最終的に観光地の活性化に役立つ形で研究成果を取りまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度収集したデータをもとにホスピタリティ表現の型整理とデザイン整理を中心におこなったため、旅費が余ったものである。 今年度はもともと現地調査をおこなう予定ではなかったが、データ収集の補完が必要なことが昨年度途中で明らかとなったため、次年度現地調査を行うことにする。
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