研究課題/領域番号 |
24611005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
津々見 崇 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (40323828)
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研究分担者 |
大西 律子 目白大学, 社会学部, 教授 (50337630)
十代田 朗 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (70226710)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 観光まちづくり / 住民参加 / 副読本 / まちづくり学習 / インタビュー調査 / アンケート調査 |
研究概要 |
(1)初年度に当たる本年度は、まず「観光まちづくり学習教材」の内容分析(プレスタディ)をまず行い、全国対象の分析のための指標を検討した。対象は山形県観光振興課、宮城県観光課、熊本県天草地域振興局、宮崎県・みやざき観光コンベンション協会の制作した教材であり、「I.観光原論・観光の概念」「II.地域特性・観光資源」「III.観光産業・観光振興」「IV.観光を通じたまちづくり」の4つの観点から、計52の暫定的な指標を作成した。また、同様の教材の作成事例について、全国の行政・観光協会・NPO等から情報収集を行った(継続中)。 (2)次に、「観光まちづくり学習教材」を作成し、学習を行ったことのある地域について、学習後の観光まちづくり活動への展開過程について、詳細事例研究(プレスタディ)を行った。対象はさいたま市岩槻区のまちかど雛めぐり実行委員会幹部と同イベントに関わる市民ボランティア、民間・市民団体である。イベントへの関与の経緯と活動の発展過程についてインタビュー調査を行い、市民ボランティアについては過去の学習との「接続」について分析を行った。また、まちかど雛めぐりを中心とした岩槻における観光まちづくりの展開過程について情報を収集、整理し、まちづくり学習活動との関連を考察した。 (3)まちかど雛めぐり時に、「観光まちづくり学習」のゲートウェイ機能を有するワークショップ及び研究展示を行い、観光まちづくりに関する市民意識のアンケート調査を実施、分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は観光まちづくりにおける市民の「観光まちづくり学習」と「観光まちづくり活動」が「接続」するためのプロセス論を考察するものであるが、本年度は当初計画では前者を特に進める予定だったところ、後者に関する良い事例地域(さいたま市)と接触することができたため、2年目のプレスタディを先に進めることになった。この部分については豊富なデータを収集することができた。したがって1年目のテキスト分析等が遅れているが、2年目の「住民による観光まちづくりの発展段階」と同時に資料分析やフィールドワークを進めることにより、遅れを挽回できるものと想定している。
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今後の研究の推進方策 |
(1)初年度にプレスタディを行った観光まちづくり学習教材の内容分析を、対象を全国に拡大して進める。 (2)観光まちづくり学習教材の作成経緯と使用の展開過程の調査を、地域での観光まちづくり活動の展開過程の調査と併せて行う(現地ヒアリング調査、資料調査による)。(1)の結果に基づき、4~5地域のケーススタディとする予定。 (3)上記の分析を完了させ、学習と活動の<接続プロセス論>の構築をめざす。 (4)1ヶ年目の研究成果を査読論文に投稿するとともに、(3)の事例調査の結果について分析を進め、観光研究学会大会等で発表していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
・上記(2)の現地フィールドワーク(4~5回、各2人)の旅費 ・フィールドワークでのインタビュー調査音声データの文字起こしの謝金 ・学会発表の投稿料・旅費
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