研究課題/領域番号 |
24611010
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
丸山 奈穂 高崎経済大学, 地域政策学部, 講師 (60612603)
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キーワード | 外国人街 / 観光地化 / 多文化共生 / エスニックマイノリティ / 日系ブラジル人 / 在日韓国朝鮮人 / 韓国朝鮮系日本人 |
研究概要 |
本研究の目的は、地域政策の観点から外国人街の観光地化を捉え、2か所の外国人街(群馬県邑楽郡大泉町のブラジル人街および大阪市生野区の韓国人街)における観光地化が、日本人住民との相互理解、外国人の雇用促進、エンパワーメントといった地域的課題の解決につながるかを探ることにある。 本年度の前半には、前年度に実施した聞き取り調査をもとに、地域の住民対象のアンケート票を作成した。聞き取り調査を通じて、地域住民が重要なステークホルダーグループであることが分かり、様々な層の住民から幅広く意見を聞くために、聞き取り調査に加えてアンケート調査が必要と判断したためである。アンケート票は日本語およびポルトガル語で作成された。 本年度後半は、群馬県大泉町でのアンケート調査を主に実施した。その結果、日本人住民ブラジル人住民合わせて約550枚のアンケートを回収できた。来年度は更に100枚ほど回収することを目標としている。さらに、本年度後半は、大阪生野区のコリアタウンにおいて、地元商店街店主、観光客、および区役所の方への聞き取り調査およびアンケート調査を実施した。また、この聞き取り調査をもとに、大泉町で使用したアンケート票に微調整を加え、生野区住民へのアンケート調査も行った。アンケート票は日本語および韓国語で作成され、約30名から回収することができた。生野区住民へのアンケートは来年度も引き続き実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
群馬県大泉町でのアンケート調査に関しては、日本人住民へのアンケート調査はスムーズに進んでいるが、ブラジル人住民は留守宅、または空き家などが多く、必要数に達するのに時間がかかっている。住民へのアイデンティティに関する聞き取り調査は対象者の特定が難航している。また、大阪での調査は、聞き取り調査は概ね順調に進んでいるが、アンケート調査は、調査員の確保に時間を要している。資料収集に関しては、計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の前半は、群馬県大泉町でのブラジル人対象のアンケート調査および大阪市生野区での住民対象のアンケート調査を実施し、年齢や性別その他の項目による観光に関する考えの違いを分析する。また、聞き取り調査も引き続き行い、ステークホルダー分析を行う。住民へのアイデンティティに関する聞き取り調査にも力を入れる。これらのことにより、今後の可能性や議論すべき点の提示が可能になる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用分として、申請時に計上していたものに加え、本年度は、天候などの理由で予定していた回数分のアンケート調査を実施できなかったため、次年度繰り越しとなった。 次年度は、聞き取り調査やアンケート調査のための旅費、消耗品費、および人件費、データ入力など研究補助のための人件費、通訳等に対する謝金を使用する予定である。また、図書や資料の購入にも使用する。
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