研究課題/領域番号 |
24611013
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 奈良県立大学 |
研究代表者 |
中谷 哲弥 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (50285384)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | フィルム・ツーリズム / フィルム・コミッション / 観光 / 観光社会学 / コンテンツ・ツーリズム |
研究概要 |
本研究は、今日、観光形態の一つとして定着しつつあるフィルム・ツーリズム(映画やテレビドラマなどの映像メディアの撮影地となったところを訪れ、映像の世界を追体験する観光)に関して、主として観光社会学的な観点から国際的な実態調査と比較研究を行うことを目的としている。先行研究を網羅的に把握し整理したうえで、英国や米国などの先進地における実態調査を実施することで、フィルム・ツーリズムという観光現象・観光経験の特徴を分析するとともに、それがいかに当該地域の観光システム全体のなかに位置づけられ、機能しているのかを捉える。これにより、本邦におけるフィルム・ツーリズムの現状把握と今後の展開の可能性についても展望する。 本研究を進める方法は、文献調査と現地調査に大きく分かれる。文献調査にはフィルム・ツーリズム関連のガイドブック、パンフ、記事などの収集・分析、及びフィルム・ツーリズムに関する学術論文や図書の収集・分析が含まれる。本研究の特色は国外のフィルム・ツーリズムの実態調査を行うことにあり、方法論的にはこの現地調査が主たる研究方法となっている。 本年度は、文献調査に関しては欧米で出版されているフィルム・ツーリズム関連の図書及び学術論文の収集を行った。とりわけ、現地調査の目的地であるイギリスに関して、ロケ地ガイドブック等を含めて収集・分析を行った。現地調査については、8月にイギリスを訪問して映画「ハリーポッター」をテーマとするフィルム・ツーリズムに関して、ロンドン及びオックスフォードで調査を実施した。ロンドンではフィルム・ツーリズムを専業とする業者が主催するウォーキングツアー及びバスツアーに参加するとともに、ツアーガイドへのインタビューを実施した。オックスフォードにおいても、ウォーキングツアーに参加するとともに、ツアーガイドへのインタビューを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、各種文献調査及びイギリスでの現地調査を実施することができた。特に、現地調査において実際にオペレーションされているツアーに参加し、オペレーターへのインタビューも実施できたことは大きな成果である。これにより、イギリスで展開されているフィルム・ツーリズムの現状について、そのプラニング、オペレーション、アトラクション内容等について情報を得ることができた。しかしながら現地調査に関しては、イギリスへの訪問期間が短かったために、訪問を検討していた関連機関について訪問できなかったものが残った。今後、他国で実施する現地調査の進捗状況と照らし合わせ、必要であれば再度イギリスでも現地調査を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
イギリスでの現地調査の成果を踏まえて、平成25年度においてはニュージーランドに注目して調査を実施する。ニュージーランドでのフィルム・ツーリズムに関する文献調査を進めるとともに、現地調査を実施する。1)フィルム・ツーリズムの展開状況、2)地域の既存の観光システムにフィルム・ツーリズムがどのように位置づけられているか、3)フィルム・ツーリズムにおける観光経験の特徴、4)フィルム・コミッション等の諸機関の役割等を主な調査項目として設定する。 現地調査は8月に実施する予定であり、これを受けて年度の後半に代表者が所属する観光学科の教員及び外部の観光研究者を招いて研究会を開催し、本研究のテーマや調査の方向性について再検討を加える。 平成26年度においては、米国での現地調査を実施する。可能であれば、再度イギリスでの追加調査も実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度の「次年度使用額」が生じた理由は、現地調査の期間がやや短かったことが大きな理由である。これについては、再度海外調査を実施できる額となっているために、研究期間中において再度のイギリスへの訪問調査の実施も検討している。 平成25年度分の使用計画については、文献調査においては図書・雑誌等の購入を行う。現地調査に関しては、ニュージーランドへの往復航空券及び現地での滞在費用、現地での資料収集のための支出を行う予定である。
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