欧米等先進国の多くは消費税や付加価値税等の物品やサービス購入時に係る税率が10%を超えており、多くの外国人旅行者が免税品店等において免税でブランド品や土産物等を購入している。また、韓国や香港、ハワイ等では免税品を購入することが日本人等観光客の重要な観光目的になっている。国内においても、欧米に比べ低い5%時の消費税率でもアジアからの旅行者を中心に電化製品等を免税で購入する旅行者が多く、沖縄では沖縄振興法により国内旅行客も対象の大規模免税店(DFS)が那覇市内に開業し、再開発地域の核になっている。一方、我が国では他の先進国と同様に消費税率の高税率化が想定されており、2014年4月には8%に税率が変更され、2017年4月には10%への変更が予定され、今後も国内外の旅行者の購買行動における変化が想定されている。本研究では、国内外旅行者の海外消費行動や免税店の現状を把握するとともに、消費税率と免税での販売動向等について各種モデルを構築し、その関係性を明らかにした。 その前提として、2つに分かれる免税店制度について整理を行い、その免税店(Duty Free Shops)及び、輸出物品販売場(Tax Free Shops)の概要や地域での店舗数、販売推計額を本調査で初めて明らかにした。消費モデルを構築する上で必要なデータとなる輸出物品販売場での販売件数も初めて明らかにした。 一方、外国人旅行者数1千万人で日本と韓国はライバル関係にある韓国の免税制度や免税店との国際比較を行い韓国の免税店の概要を明らかにし①韓国は世界免税市場の1割を占め、その販売額は順調に伸び、世界有数の国であり②免税企業でも世界4、8位の座にあり、海外進出を含め今後も伸長が想定され、我が国では20位の企業があるものの海外進出等はなく③だが、韓国の免税店にはかかえる課題(輸入品大半)も多い等を現地調査等で明らかにした。
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