本年では、旅行関連のソーシャルメディア上に投稿された情報を中心に研究を行った。 北海道内の旅行に関する投稿から上位30個所の地域を対象として、2007年から2013年までのすべとの投稿の分析を行った。その結果すべての地域に共通して出現する語句と地域に特有の語句があることが分かった。さらにクラスタ分析を行うことにより、上記の30の地域は、5つのクラスタに分類できることが分かった。 さらに、上記と同じ投稿をネットワーク分析を行った。地域により媒介中心性値と呼ばれる、ネットワークのキーとなる語句の濃淡があること、また表出してくる語句間のつながり(語句ネットワーク)に特徴的なパターンを5つ見出すことができた。 いわゆるネット系の投稿から、地域による特徴をクラスタ分析、ネットワーク分析で見出し、分類することができた。雑誌系の観光に関する情報との差異に関して分析を行った。その結果雑誌という媒体の特徴からか、最大連結成分は、食とそれ以外の観光対象の2つに分類されるが、個人投稿から得られる最大連結成分は、宿泊、交通、観光対象、グルメと多彩な要素から形成されていることが分かった。 ネット上の投稿は、クラスタ分析によってもネットワーク分析によってもいくつかに類型化できることが分かったが、その類型間の相違について解析するには至っていない。また、雑誌情報との差異についてもその原因を明らかにするには至っていない。 今後の研究で類型や差異に関する要員を明らかにしていく必要がある。
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