研究課題/領域番号 |
24611026
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
川北 眞紀子 中部大学, 経営情報学部, 教授 (60440806)
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研究分担者 |
伊吹 勇亮 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (60410255)
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キーワード | 観光 / 広報 / 地域 / 情報発信 / メディア |
研究概要 |
昨年度の文献レビュー、そして、優れたPRを行っているとされる観光協会へのヒアリングをから、広報成果を規定する変数をいくつか検討していき、仮設となるモデルをいくか検討した。メディア・リレーションズの関係の質、提示する情報の質が、メディアのジャーナリストの行動にどのような影響をおよぼすかという関心を焦点とた。 全国の観光協会への定量調査を前提とし、測定用具を開発した。平成25年7月、全国の観光協会に向けて定量調査を実施した。全国の主要な観光協会298に対し郵送した。回収は132,有効回答は131であった。これらの定量調査をもとに、さまざまな角度から分析を行った。 これらの研究からわかったことは、観光協会のメディア・リレーションズ担当者の活動の中で、魅力づくりが最も成果につながることが明らかになった。また、情報品揃えの効果は彼らの主観的なレポートには現れないものの、実際のメディアでの報道や取材につながる傾向があることが示された。他にも通常のリリースや会見といった活動、メディア訪問などのプロアクティブな活動は、彼らの主観的な成果報告に関連することが示された。 他にも、昨年度行ったヒアリング調査の追跡を目的として、「にいがた朝ごはんプロジェクト」の追加ヒアリング、長岡観光協会やほか外郭団体での「ながおかバル」の取り組みについてヒアリング、瀬戸市の観光協会へのヒアリングを行った。 研究成果の報告に関しては、国内での学会発表1回、海外での学会発表1回(審査あり)、査読論文1本、論文(紀要)が1つと多くの成果を発表することができた。国際学会で日本のメディア・リレーションズのデータを提示したのは初めてであること、そして情報品揃え概念というものを提示し懸賞したのはじめてである点を指摘され、高い評価をうけることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
24年度(昨年度)、すでにヒアリング調査だけでなく、学会発表や論文投稿まで実施することができたため、この時点でかなり計画以上に進行していた。 本年度は定量調査を実施することが主要な目的であったが、これも7月の時点で郵送と回収をすることができた。また、追加のヒアリング調査として3つの取組みを伺うことができた。 また、昨年度の論文2本(うち査読1本)を出しただけでなく、本年度も同様に論文2本(うち査読1本)を出すことができた。また、国際学会での発表(審査あり)ができたことは、日本の広報研究を海外に発表することができた点は、成果を伝えるよい機会をつくることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、観光協会の担当者だけでなく、情報の受け手であるジャーナリスト側に対する定量調査を行うことができたらと考えている。送り手と受け手の調査の両面から調査した例は、日本の広報分野では少ないと思われるため、貴重な研究になるのではないかと考えている。そして、最後に、これまで出した論文や調査をまとめて、報告書を作成し配布する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末に海外での発表が確定したため、研究分担者の出張予算の配分が難しくなった。年度末の急遽の支出変更が難しく本人が所有していた無料航空券をで対応、その分の支出が必要なくなった。来年度も様々な研究報告の形を考えていることもあり、発表のための出張費、報告書の印刷代など、そちらに予算を回したいため、次年度使用を考えている。 報告書印刷、学会への研究報告のための参加費や旅費などに使用する。
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