本研究の目的は、観光産業の重要分野である旅行産業の国際経営について明らかにすることにある。調査対象として海外に進出している日本の旅行企業を取り上げ、世界の主要3地域(米州・欧州・アジア)における国際経営行動を調査した。研究方法は、現地調査を含む事例研究および文献研究である。調査重点項目として、(1)対象市場、(2)サービス、 (3)現地経営、(4)競争企業、(5)現地発ビジネスを設定し、地域間、企業間比較ができるようにした。異文化圏における日本の旅行企業の経営行動を分析することによって、旅行のような顧客が根ざす文化の影響を強く受けるサービス企業のグローバル化の可能性と発展過程を明らかにした。
|