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2014 年度 実施状況報告書

歴史的市街地の観光魅力度の向上に資する街路空間の運用指針に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24611030
研究機関広島工業大学

研究代表者

伊藤 雅  広島工業大学, 工学部, 准教授 (70273464)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード観光交通 / 歩行者空間 / 歩行環境 / 歩行速度
研究実績の概要

車の通行が少なく車と人が別々に移動しやすい宮島と、車と人が入り混じり移動しにくい高野山を事例として、観光地内における歩行者および車両の交錯状況を把握するとともに、街路条件の違いによる歩行特性の違いを明らかにした。
宮島と高野山における街路条件の異なる4つの通りを調査対象とし、歩道があり、歩行者のみが通行できる空間が確保されている例として高野山の金剛峰寺前の通りを、歩道がなく、路側帯を歩行しなければならない例として高野山の小田原通りを、道路幅員が3~4mと狭く、歩車共存の街路となっている例として宮島の町家通りを、車両の通行規制がなされ、歩行者専用の街路となっている例として宮島の表参道商店街を取り上げた。
小田原通りは歩道がなく白線が引かれている状態である。そのため車道にはみ出て歩行する人がいる。時間毎にはみ出た人を見ると、人通りが最も多い13時台が749人中240人で最も多かった。町家通りは島内を自動車で移動することができる唯一の街路となっており、歩行者と自動車が接近することが多い。自動車と交差する人の数を見ると、総歩行者数3500人中1342人の歩行者が車と交差していることが分かった。この結果から、歩行者の約4割が自動車と接触する危険をおかしていることが分かる。さらに、5分間歩行者交通量が50~60人程度の時間帯を抽出し、歩行速度の比較を行ったところ、金剛峰寺は歩道があるため自動車の影響はなく、歩行速度は店舗の多い金剛峯寺の南側で遅くなっていることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

事例調査:他の研究調査とあわせて、ドイツにおける観光地の事例の情報収集を行うことができた。
実態調査:前年度にデータ収集を行った宮島及び高野山の歩行者流動データに基づいて、今年度は分析を進展させることができた。

今後の研究の推進方策

最終年度となる平成27年度は以下の調査・分析を推進する。
実態調査:高野山における新たな交通体系が実施された際の交通実態調査を実施し、事前/事後比較を行う。
運用指針:高野山における新たな交通体系の実施を通じて、観光地における街路空間の運用指針に関する提言を行う。

次年度使用額が生じた理由

宮島における現地調査謝金が当初予定より少なく済んだため

次年度使用額の使用計画

次年度の高野山における現地調査を充実させるために、調査補助人員の追加等を行うための費用に充当する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 都市環状道路における道路空間再配分と沿道整備に関する一考察-ミュンヘン中環状道路の沿道環境整備プロジェクトを事例として-2014

    • 著者名/発表者名
      伊藤 雅
    • 雑誌名

      都市計画論文集

      巻: Vol.49, No.3 ページ: 381-386

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hedonic estimates of the underground tunnels of ’Mittlerer Ring’2014

    • 著者名/発表者名
      Tadashi ITOH
    • 雑誌名

      Transportation Research Procedia

      巻: 4 ページ: 407-420

    • DOI

      10.1016/j.trpro.2014.11.031

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 観光地の街路条件による歩行特性の比較考察-宮島と高野山を事例として-2014

    • 著者名/発表者名
      西山丈吉・高村浩史・伊藤 雅
    • 学会等名
      第69回土木学会年次学術講演会
    • 発表場所
      大阪大学豊中キャンパス(大阪府豊中市)
    • 年月日
      2014-09-12

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公開日: 2016-05-27  

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