吸着剤として用いられる相互作用は、強い相互作用だけではなく、弱い相互作用も十分機能することを明らかにした。距離依存性の小さな強い相互作用が、溶質を官能基まで引き付け、距離依存性の大きな弱い相互作用で溶質と官能基間の距離が最短となることで、捕捉に必要となる十分のポテンシャルエネルギーが得られる。一旦、弱い相互作用で捕捉されてしまえば、溶質の脱着は容易ではなくなる。この性質を利用し、吸着剤表面に捕捉された溶質を脱着することなく、固相蛍光法で定量する「オンレジン測定法」を開発した。この方法による蜂蜜中の抗菌剤、テトラサイクリン類の簡易スクリーニング法を確立した。
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