研究課題
基盤研究(C)
本研究では、ヒト染色体・クロマチン構造の制御に関わるエピジェネティクス関連因子群のうち、乳がん・直腸がん・神経腫瘍などの難治性がんや生活習慣病の発症との関連が示唆されているヒストン脱メチル化酵素LSDファミリー等が、メチル化クロマチンを脱メチル化して転写抑制に働く分子機構をヌクレオソームコアの階層で解析することを研究目的としている。本年度は、ヒストン脱メチル化酵素LSDファミリーのうち、機能解析が遅れているヒトLSD2について真核細胞における発現系で複数のドメインタンパク質の発現・精製条件を検討し、LSD2の酵素活性領域を含むコンストラクトのタンパク質がメチル化ヒストンH3テイルを脱メチル化する活性を有することを確認した。また、ヒトLSDファミリーと再構成メチル化様ヌクレオソームとの結合解析、脱メチル化活性およびヌクレオソーム凝集活性を測定するため、H3のLys4残基の側鎖をジメチルリジン様側鎖にするための化学修飾を行い、このH3-K4me2様修飾を残基特異的に含むヌクレオソームコア粒子を試験管内において再構成した。さらに、ポリコム複合体によるヌクレオソームの修飾反応におけるヒストンテイルのメチル化様修飾の意義を検討した。上記に加えて、ヌクレオソームのDNAのメチル化の意義を検討するために、CpG配列のフルメチル化修飾またはヘミメチル化修飾を持つヌクレオソームコア粒子の調製方法の検討を開始した。
2: おおむね順調に進展している
申請書の研究計画・方法に記載した平成24年度の計画内容通りに概ね進行しているため。
研究計画の変更はないため、当初予定通りに推進する。ヌクレオソームコアの再構成にあたっては、ヒストンのメチル化のみに限局せずに、DNAのメチル化やヒストンのアセチル化等の化学修飾についても比較対照等のために調製・機能解析する予定である。
該当なし
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)
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http://www.riken.jp/research/labs/clst/struct_synth_biol/bio_funct_mol_dev/epigen_drug_discov/