研究課題
本研究では、ヒトの染色体・クロマチンの制御に関わるエピジェネティクス制御タンパク質のうち、乳癌・直腸癌・神経腫瘍を始めとする難治癌や生活習慣病等の発症との関連が示唆されているLSD1/2 (Lysine-specific demethylase-1/2)脱メチル化酵素ファミリーがメチル化されたクロマチンを標的として転写制御に働く分子機構を解析することを目的としている。本年度は、FAD含有ヒストン脱メチル化酵素ファミリーのLSD1/2が脱メチル化標的とするヒストンH3のLys4のモノメチル化修飾を含むヌクレオソームの再構成技術を開発・改良した。Boc保護したBocモノメチルリジンを全長ヒストンH3のLys4, Lys9, Lys27, Lys36、およびLys4とLys27の2箇所に残基特異的に導入したタンパク質を大腸菌無細胞合成技術の開発と反応条件の最適化により大量合成した。調製したH3タンパク質は部分精製を行い、その後、トリフルオロ酢酸を用いてBocモノメチルリジンの脱Boc反応条件を最適化することにより、目的とする残基特異的モノメチル化H3タンパク質のミリグラム調製技術を確立した。本年度は、FAD含有ヒストン脱メチル化酵素ファミリーの脱メチル化反応の対照であり、Jumonji型ヒストン脱メチル化酵素の基質となるトリメチル化リジンのタンパク質への残基特異的な導入技術についてもRibozyme反応を用いた条件検討を行った。さらにLSD1/2によるリジンメチル化ヌクレオソーム等の脱修飾機構の解明とそれらのタンパク質に対する制御分子の開発のため、大腸菌発現系およびバキュロウイルス発現系におけるLSD1/2の調製、LSD2抗体の作成と評価、および結晶構造解析を行った。
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