研究課題/領域番号 |
24614004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 陽子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 研究員 (30376644)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ビタミンD受容体 / 遺伝子改変マウス / 栄養化学 / VDR / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
研究概要 |
ビタミンD受容体遺伝子欠損(VDRKO)マウスは骨形成不全、Ca代謝異常等の表現型を示すが、これらの表現型は食餌によるCa補充により正常化することからCaを介した二次的な影響であることが示唆される。一方、リガンドの結合しないVDR変異を持つVDRΔAF2マウスは、VDRKOと同様の表現型を示すが、高Ca食で飼育しても依然としてCa代謝異常や骨形成不全が認められる。よってVDRKOとVDRΔAF2マウスではCa代謝および骨代謝メカニズムに大きな違いがあると考えられる。本研究ではVDRKOおよびVDRΔAF2マウスの各組織の詳細な解析により、Ca代謝・骨代謝に関わるビタミンD非依存的なVDRの新機能の解明をめざす。 現在までにVDRKOマウスとVDRΔAF2マウスを高Ca食にて飼育し表現型の解析を行った。VDRKOマウスおよびVDRΔAF2マウスの骨の非脱灰切片を作製し、von kossa染色を行ったところ、両マウスともに骨の石灰化は認められたものの、VDRΔAF2マウスでは肥大軟骨細胞周囲の石灰化層の幅が広がっていた。さらにVDRΔAF2マウスでは海綿骨の骨梁が繊維芽細胞様の細胞で満たされており、骨髄腔の形態に異常が認められた。しかしながら脾臓の肥大は観察されなかった。以上の結果から、VDRΔAF2マウスとVDRKOマウスでは骨芽細胞および破骨細胞の機能が大きく異なることが示唆された。 また本研究ではVDRKOマウスとVDRΔAF2マウスの表現型の違いをより詳細に解析するため、それぞれのヘテロマウスを交配させダブルヘテロマウスを作出し、ダブルへテロマウスの交配によりVDRKOマウスとVDRΔAF2マウスを同腹で得る事を試みた。その結果、高Ca食で飼育したダブルヘテロマウスは雌雄とも交配可能であったため、今後VDRKOマウスとVDRΔAF2マウスの同腹解析が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は研究実施期間である3年間のうちにVDRKOおよびVDRΔAF2マウスの各組織の詳細な解析により、Ca代謝・骨代謝に関わるビタミンD非依存的なVDRの新機能の解明をめざすものであるが、初年度である本年度は当初の計画通り、VDRKOおよびVDRΔAF2マウスの骨組織における表現型を明らかにした他、VDRKOとVDRΔAF2ダブルへテロマウスの作出を行い、今後VDRKOマウスとVDRΔAF2マウスの同腹解析が可能となったため、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究結果よりVDRΔAF2マウスとVDRKOマウスでは骨芽細胞および破骨細胞の機能が大きく異なることが示唆されたため、今後はVDRΔAF2マウスとVDRKOマウスから初代培養骨芽細胞および破骨細胞を調製し、それぞれの細胞の機能を詳細に検討する他、カルシウム代謝異常と骨の表現型についての関連についても腎臓・小腸における遺伝子発現検討により解析を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度より所属が変更になるため、異動先で動物実験を継続するためには本研究のために飼育しているマウスを一度凍結胚にした上で、異動後に再個体化しなくてはならず、研究再開には多くの費用と時間を要する他、今後はこれまでのような所属研究室の専用飼育室におけるマウスの大規模飼育が困難になることが予想された。そのため本年度中は、本研究に使用する当該マウスの解析用組織の採取までを前倒しで重点的に行い、解析を次年度にまわしたため当初予定していた研究費の配分が変更となった。次年度は採取した組織を用い、上記の今後の研究の推進方策に述べた実験を遂行する予定である。
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