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2013 年度 実施状況報告書

カルシウム代謝・骨代謝に関わるビタミンD非依存的なVDRの新機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24614004
研究機関東京大学

研究代表者

山本 陽子  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30376644)

キーワードビタミンD受容体 / 遺伝子改変マウス / VDR / ビタミンD
研究概要

ビタミンD受容体遺伝子欠損(VDRKO,VDR L-/L-)マウスは骨形成不全、カルシウム(Ca)代謝異常等の表現型を示すが、これらの表現型は食餌によるCa補充により正常化することからCaを介した二次的な影響であることが示唆される。一方、リガンドの結合しないVDR変異を持つVDRΔAF2(VDR Δ/Δ)マウスは、VDRKOと同様の表現型を示すが、高Ca食で飼育しても依然としてCa代謝異常や骨形成不全が認められる。よってVDRKOマウスとVDRΔAF2マウスではCa代謝および骨代謝メカニズムに大きな違いがあると考えられる。本研究ではVDRKOマウスとVDRΔAF2マウスの解析により、Ca代謝・骨代謝に関わるビタミンD非依存的なVDRの新機能の解明をめざす。
本年度はVDRKOマウスとVDRΔAF2マウスの表現型の違いをより詳細に解析するため、高Ca食で飼育したダブルへテロマウス(VDR L-/Δ)同士の交配により得られたVDRKOおよびVDRΔAF2マウスの解析を行った。この交配によって得られたVDRΔAF2マウスでも骨形成不全が認められるものの、血中Ca、P、1,25(OH)2D濃度についてはVDRKOマウスとの有意差は認められなかった。また、これらの代謝に関わる腎臓および小腸における既知のVDR標的遺伝子の発現を検討したところ、小腸のS100gおよび腎臓のCyp27b1、Trpv5、Calb1、Slc34a1についてはいずれも有意差は認められず、小腸のTrpv5、腎臓のCyp24a1はいずれも検出限界以下であった。次に、VDRKOマウスとVDRΔAF2マウスの腎臓の遺伝子発現の違いをマイクロアレイにより検討したところ、両者で発現パターンが異なる15の遺伝子および7つのlincRNAが同定でき、これらがビタミンD非依存的に骨代謝に関与する可能性があることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は研究実施期間である3年間のうちにVDRKOおよびVDRΔAF2マウスの各組織の詳細な解析により、Ca代謝・骨代謝に関わるビタミンD非依存的なVDRの新機能の解明をめざすものであるが、2年目にあたる本年度は当初の計画通り、骨代謝に関わるビタミンD非依存的なVDRの新規標的遺伝子候補を同定するすることができたため、おおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

本年度の研究結果より骨代謝に関わるビタミンD非依存的なVDRの新規標的遺伝子候補を同定するすることができたため、今後はin vitroの実験系によりこれらの候補遺伝子が確かにビタミンD非依存的なVDRの新規標的遺伝子であることを示し、VDRによる新たな標的遺伝子の転写調節メカニズムの解明をめざす。

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公開日: 2015-05-28  

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