本研究ではカルシウム(Ca)代謝・骨代謝に関わるビタミンD非依存的なVDRの新機能解明を目指した。VDRKOマウスとリガンド結合能のないVDR(VDRΔAF2)ノックインマウスを高Ca食で飼育すると、VDRΔAF2マウスでは骨の石灰化は認められたものの、海綿骨の骨梁が繊維芽細胞様細胞で満たされ、骨髄腔の形態異常が認められた。腎臓および小腸におけるCa代謝に関わる既知VDR標的遺伝子発現量は両者で有意差は認められなかったが、マイクロアレイおよびリアルタイムRT-PCR解析により、両者で発現パターンが異なる6つの遺伝子が同定され、これらの遺伝子が骨代謝異常に関与する可能性が示唆された。
|