経腸栄養(EN)剤の投与を受けている高齢患者(胃瘻造設患者)と生活習慣病患者(糖尿病患者、DM患者)の頭髪中の窒素と炭素の安定同位体比(δ15Nとδ13C)と微量元素分析から栄養状態を評価した。EN 患者のδ15Nとδ13Cは、健常者と比べそれぞれ有意に高値と低値を示し、エネルギー投与量とδ15Nおよびδ13Cの間にはそれぞれ有意な負と正の相関関係が認められた。糖尿病患者のδ15Nは健常者とほぼ同じ値だったが、δ13Cは低値を示した。EN患者の場合、多くの微量元素は健常者と比べて低かった。DM患者では亜鉛やクロムなどの元素が低値を示したがHbA1Cとの間には一定の相関関係は認められなかった。
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