日本人の約半数が遺伝子変異を有するアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)遺伝子の変異は骨粗鬆症を惹起する。この原因に基づく骨粗鬆症を予防するための機能性化合物の検討を行った。遺伝子変異による酵素代謝不全の結果、原因物質として体内に過剰の過酸化脂質とアルデヒドの蓄積を確認した。機能性物質として抗酸化物質を添加したアセトアルデヒド存在下の骨芽細胞の分化誘導能を検討した結果、アセトアルデヒドによる骨芽細胞の形成不全を効果的に回復させた。そこで、実際にALDH2遺伝子変異マウスへ抗酸化化合物を経口投与して骨密度の検討を行った結果、大腿骨密度は有意な上昇を示し、骨粗鬆症の症状を回復させることを確認した。
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