研究課題/領域番号 |
24614016
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
岩本 淳一 東京医科大学, 医学部, 准教授 (10384950)
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研究分担者 |
本多 彰 東京医科大学, 医学部, 教授 (10468639)
宮崎 照雄 東京医科大学, 医学部, 講師 (60532687)
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キーワード | 小腸機能 |
研究概要 |
本研究は小腸におけるコレステロール関連脂質の消化・吸収・代謝機能に着目し,小腸の機能低下(または傷害)の部位と程度を,高い感度と特異度で感知できる血液マーカーの開発を目指している。クローン病(CD),短腸症候群,虚血性小腸炎,薬剤性小腸傷害,イレウス,潰瘍性大腸炎,過敏性腸症候群,感染性腸炎などの消化管疾患,および正常対照者の血清を収集し,LC-MS/MS解析を用いて約50種類のステロール解析を行っている。クローン病については,活動指数(CDAI)の評価と病変部位の検索を行い,潰瘍性大腸炎についても重症度診断基準(厚生省調査研究班1994)による評価と罹患範囲の検索を行っている。平成25年は、C4やFGF19 等の測定を追加し、小腸粘膜障害に伴う胆汁酸吸収障害による胆汁酸代謝と上記結果の関連を検討した。 CD群では4β-HCと25-HC濃度が,正常対照群および潰瘍性大腸炎群より有意に低下し,その低下の程度は回腸切除例で著明であった。また,CD群では正常対照群および潰瘍性大腸炎群に比べて,有意なFGF19濃度の低下とC4濃度の上昇を認めたため胆汁酸合成が亢進しているものと考えられた。CDでのステロール解析から、上部小腸からのコレステロール吸収マーカーの低下を認めなかった。したがってCDでの低T-CHO血症の病態として、コレステロール吸収障害のみでなく、胆汁酸吸収障害を補うためコレステロールの過剰消費が関与している可能性が示唆された.FGF19やC4が小腸障害の指標となると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画とおりに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
マーカー候補物質の選択は終了したので、今後は症例の蓄積とマーカー物質の意義についての検討を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物モデルを使った実験を平成25年度末に予定していたが、倫理委員会での承認が遅くなり動物の購入を次年度に持ち越したため。 動物モデルの購入を予定している。
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