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2014 年度 実績報告書

小腸の消化吸収機能の低下を感知する新しい血液マーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24614016
研究機関東京医科大学

研究代表者

岩本 淳一  東京医科大学, 医学部, 准教授 (10384950)

研究分担者 本多 彰  東京医科大学, 医学部, 教授 (10468639)
宮崎 照雄  東京医科大学, 医学部, 講師 (60532687)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードクローン病
研究実績の概要

平成26年度は脂質,胆汁酸代謝からみたクローン病における脂肪肝合併メカニズムについての検討した。脂肪肝合併原因として,回腸病変による腸内細菌バランスの変化や,胆汁酸代謝異常が推測されている.本研究は,クローン病と潰瘍性大腸炎での脂質,胆汁酸代謝を比較検討し,クローン病における脂肪肝合併のメカニズムについて検討した。
小腸型クローン病(21例,うち回腸切除4例),潰瘍性大腸炎(10例),正常対照(26例)の血清を用いて,血清脂質,胆汁酸分画のほか,脂質代謝マーカーとしてオキシステロール,3-ヒドロキシ酪酸等をLC-MS/MS法で分析した.また,FGF19等のサイトカイン濃度はELISA法にて定量した.末梢血胆汁酸分析では,潰瘍性大腸炎群において腸内細菌の代謝産物と考えられる非抱合型胆汁酸,二次胆汁酸,ケト型胆汁酸,エピ胆汁酸などの有意な比率低下を認めたが,クローン病群では正常対照群と比べて有意な変化を認めなかった.しかし,クローン病群では潰瘍性大腸炎および正常対照群と比べて,有意なFGF19濃度の低下と7α-ヒドロキシ-4-コレステン-3-オン(C4)濃度の上昇を認め,腸肝循環している胆汁酸量の減少とそれを補う胆汁酸合成の亢進が認められた。脂肪酸合成を促進するLiver X receptor(LXR)のリガンドとなる血中24S-および27-ヒドロキシコレステロール濃度はクローン病群で有意に上昇し,脂肪酸の異化によって肝で作られる3-ヒドロキシ酪酸濃度は,クローン病で低下傾向を認めた。以上の結果からクローン病では,肝組織中の胆汁酸濃度低下とオキシステロール濃度上昇が疑われた.それらはFXRの不活性化とLXRの活性化によって脂肪酸の合成促進と異化抑制を起こしている可能性がある.そのことがクローン病における脂肪肝合併メカニズムの一因になっている可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Serum carnitine as an independent biomarker of malnutrition in patients with impaired oral intake.2014

    • 著者名/発表者名
      Iwamoto J, Honda A, Miyamoto Y, Miyazaki T, Murakami M, Saito Y, Ikegami T, Miyamoto J, Matsuzaki Y
    • 雑誌名

      J Clin Biochem Nutr

      巻: 55(3) ページ: 221-7

    • DOI

      10.3164/jcbn.14-77

    • 査読あり
  • [学会発表] 脂質,胆汁酸代謝からみたクローン病における脂肪肝合併メカニズムについての検討2014

    • 著者名/発表者名
      岩本淳一
    • 学会等名
      日本消化器病学会
    • 発表場所
      神戸ポートピアホテル
    • 年月日
      2014-10-24 – 2014-10-24

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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