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2014 年度 実績報告書

放射線照射による消化管樹状細胞の活性化と卵白アルブミン特異的アレルギー反応の誘導

研究課題

研究課題/領域番号 24614017
研究機関日本医科大学

研究代表者

若林 あや子  日本医科大学, 医学部, 助教 (30328851)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードアレルギー / 放射線 / X線 / 樹状細胞 / 上皮細胞
研究実績の概要

昨年度、マウスの小腸のクリプトから腸幹細胞を採取し、マトリゲル中において3次元培養し、上皮細胞のみから成るクリプト-絨毛類器官を構築することに成功した。今年度は、この上皮器官を放射線照射した時の損傷関連分子パターンの一つであるHigh Mobility Group Box 1(HMGB1)の放出と、放出されたHMGB1が樹状細胞のような抗原提示細胞へ与える影響を検討した。
3次元培養によって得られたマウスのクリプト-絨毛類器官に、10Gy(1000rad)、30Gy(3000rad)、または100Gy(10000rad)のX線を照射し、その後の培養上清中のHMGB1濃度をELISA法で測定した。そうしたところ照射X線量が30Gyの時に最も著しく、次に10Gyの時に、上清中HMGB1濃度の有意な増加が観察された。しかし、100Gy照射ではHMGB1放出量の増加は認められなかった。一方、HMGB1をマウス腸管膜リンパ節の樹状細胞(DC)にin vitroで加えると、CD11c陽性DCのCD80、CD86といった共刺激分子の発現が増加した。
これらの結果より、X線のような放射線を照射した場合、照射に感受性の高い上皮細胞からHMGB1のような細胞損傷関連分子が放出され、その損傷関連分子によってDCが活性化することが示された。食物抗原を取り込んだDCの活性化はTh2反応などのアレルギー反応を惹起することが考えられる。従って消化管粘膜組織における放射線照射は、食物抗原に対する過剰な免疫反応を誘導する可能性が示唆された。
また、学生などを対象に質問調査を行い、2011年3月の福島第一原子力発電所事故前後のアレルギーの発症率や重症度について調査したところ、現時点では事故発生前後の有意な差はみられなかったが、今後長期的に追跡していく必要があると考える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 腸管上皮内リンパ球の細胞傷害性T細胞への分化2014

    • 著者名/発表者名
      若林あや子、高橋秀実
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科

      巻: 62 ページ: 17-24

  • [学会発表] Enhancement of costimulatory molecule-expression on mucosal DCs by treatment with cholera toxin in vitro2014

    • 著者名/発表者名
      Wakabayashi Ayako, Otsuka Yohei, Ishi Kazufumi, Takahashi Hidemi
    • 学会等名
      第43回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2014-12-10 – 2014-12-12
  • [備考]

    • URL

      http://tlo.nms.ac.jp/researcher/1020.html

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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