マウスの小腸上皮細胞はX線感受性が高いが、小腸樹状細胞(DC)はX線耐性であり10Gyの照射により共刺激分子CD80の発現が増強した。マウス小腸上皮器官培養に10-30GyのX線照射した時、上清中に細胞損傷関連分子であるHMGB1が放出され、このHMGB1を小腸DCにin vitroで加えると共刺激分子CD80とCD86の発現が増加した。以上より、放射線照射により損傷した腸上皮細胞からHMGB1のような細胞損傷関連分子が放出され、小腸のDCが活性化することが示された。放射線照射による小腸DCの活性化は過剰な免疫反応を誘導し、食物アレルギー反応の発症や進行に関与する可能性が示唆された。
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