日本人における血漿HDL濃度調節の特徴を、主要な制御因子であるCETPとABCA1の分子栄養学的制御の面から検討した。1)日本人の血漿HDLが西欧と比べ高値を示す遺伝子背景の一つであるCETP欠損が東アジアで高頻度に見られる理由として、日本住血吸虫による肝傷害への抵抗性の分子基盤を解明した。2)我が国のHDL濃度は過去20年間著しく上昇、米国より20%近く高くなっていることを見いだし、その栄養学的背景の可能性を検討した。3)HDL産生の律速膜蛋白質ABCA1の分解制御が糖尿病における高度糖化蛋白質に促進され無機栄養因子により抑制されることを見いだした。
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