我々が日常摂取している食品成分にも抗癌作用を持つものが存在する。それら成分の内、ビタミンCと不飽和脂肪酸 (PUFA)が示す癌細胞増殖抑制メカニズムを解析した。その結果、PUFAは細胞死誘導経路の活性化と同時にオートファジー誘導経路も活性化していた。オートファジーを抑制することでPUFAはより強く細胞死を誘導することを明らかにした。ビタミンCも細胞死誘導とオートファジーを同時に誘導していたが、ビタミンCが誘導するオートファジーは細胞死を誘導するために必要であった。今後、PUFAやビタミンCが誘導する癌細胞死におけるオートファジーの役割を考慮し、治療につなげていく工夫が必要であると考えられる。
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