研究課題/領域番号 |
24615001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
守田 匡伸 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10519094)
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キーワード | iPS / リプログラミング |
研究概要 |
前年度ではNrf2KO、KeapKOMEFのiPS形成効率を解析した。Nrf2KOMEFではiPS形成が向上し、KeapKOでは逆にiPS形成の抑制がみられた。このようにリプログラミングにおけるKeap1-Nrf2システムの関与があきらかになったが、作製されたiPSの品質についての機能解析を本年度では行った。iPSの機能解析として主にテラトーマアッセイを用いた。NOD/SCIDマウスに野生型、Nrf2KO、Keap1KOMEF由来のiPSを大腿部に移植し3週間後に形成されたテラトーマを摘出し、重量測定、HE染色を行った。Nrf2KO由来のiPSではテラトーマ形成が野生型のそれと比べて小さいことが明らかになった。組織標本を作製してヘマトキシリンエオシン染色を行った。テラトーマは外胚葉、中胚葉、内胚葉の三葉に分化し,管構造等三次元的な立体構造をとり、幹細胞の分化能を調べるのに適した系である。Nrf2KO由来のiPSから作製したテラトーマは野生型のそれと同様に筋肉、神経、血管内皮といった分化能を示したことからiPSの多能性は正常であると考えられる。テラトーマの分化能は正常で、腫瘍の大きさが小さいことからテラトーマ形成においてNrf2は細胞増殖に対して正の役割を持っていることが推測された。現在、Ki67やtunel染色によって細胞増殖、アポトーシスの程度を調べるとともに細胞周期に関係する遺伝子発現を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Keap1-Nrf2システムのリプログラミングにおける機能解析とiPSの品質についての解析が進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
Keap1-Nrf2システムがリプログラミング時に制御している遺伝子をマイクロアレイ等を用いて明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初は、樹立したiPS細胞に対して分化実験を行う予定であったが、分化実験を次年度に行うことになったので未使用金が発生した。 iPS細胞の分化を行うために平成26年度分とあわせてサイトカインを購入する費用にあてる。
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