創傷治癒に、組織に存在する間葉系幹細胞(MSC)が関与している。糖尿病患者は、健常者と比べ創傷治癒能低下が指摘されており、本研究では、健常人脂肪組織由来MSC(nAT-MSC)と糖尿病患者脂肪組織由来MSC(dAT-MSC)の比較解析を行った。nAT-MSC及びdAT-MSCは、細胞形態・細胞表面マーカーに差は認められなかった。分化能において、dAT-MSCは、nAT-MSCと比べ、脂肪分化が促進されることが分かった。dAT-MSCは、低酸素条件下で培養した時においてのみ、過剰な細胞接着性が観察された。接着因子発現解析により、dAT-MSCにおいて有意にCYR61の発現上昇が見られた。
|