本研究は、ヒト胚性幹 (ES) 細胞を用いた心筋分化モデルをもとに、各種心筋細胞の初期発生過程を解明し、領域特異的な分化誘導法の開発を目的とする。心筋前駆細胞の単離同定および特性解析を行うために、細胞表面マーカーをスクリーニングし、4つの前駆細胞マーカー候補を同定した。マーカーを指標に前駆細胞の選別・解析を行い、ヒトES細胞由来の心筋前駆細胞は多能性を有していることを明らかにした。また、Nkx2-5EGFP/w / Mlc2vmCherry/wダブルノックインヒトES細胞株の樹立を行い、心臓発生のごく初期から領域決定に至る後期までの幅広い過程をリアルタイムで追跡可能なシステム構築に成功した。
|