23年度以前の研究において、iPS誘導を阻害すること(iPS干渉)を指標に、分化を決める転写因子(マスター転写因子)がとれることがわかり、任意の細胞に使えると考えられた。本研究は、iPS干渉の分子機構を明らかにすることを目的とし、山中因子の一つであるOct3/4の働きを詳細に解析した。その結果、強制発現されたOct3/4は体細胞の高発現遺伝子に結合し、抑制することがわかった。これがiPS誘導の開始に必要で、マスター転写因子の強制発現などによって発現を維持すると、iPS誘導の阻害すなわちiPS干渉がみられる。
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