研究課題
我々は、筋再生を担う幹細胞であるサテライト(筋衛星)細胞で、胎児期における筋芽細胞の移動を制御するホメオボックス型転写因子Lbx1 およびNotch 受容体の一つであるNotch3 が発現していることを発見し、これらの遺伝子が筋再生に重要な機能をもつことを明らかにしてきた。これまでの研究によりNotch3がサテライト細胞の増殖や 自己再生(self-renewal)を負に制御していることが明らかになっている。本年度は、Notch3によるサテライト細胞の制御メカニズムの解明を目的に、マイクロアレイを用いた網羅的な発現解析を行いNotch3のターゲット遺伝子を探索した。その結果、再生中の骨格筋および培養下のサテライト細胞でNotch3 KOマウスにおいて共通して発現が低下している10種の遺伝子を同定した。次に、これらの遺伝子の発現をリアルタイムPCRを用いて測定し、このうちの6種類の遺伝子の発現がNotch3 KOマウスにおいて低下していることが明らかとなった。これらの遺伝子はNotch3のターゲット候補遺伝子であると考えられる。
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