研究課題/領域番号 |
24616004
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
杉原 太郎 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (50401948)
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研究分担者 |
藤波 努 北陸先端科学技術大学院大学, ライフスタイルデザインセンター, 教授 (70303344)
森山 治 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (40322870)
森山 千賀子 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (50341897)
曽我 千春 金沢星稜大学, 経済学部, 准教授 (20413239)
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キーワード | 認知症介護 / 支援情報技術 / システム開発・導入 / 介護制度 / 質的調査 / ガイドライン |
研究概要 |
本研究は,認知症介護に焦点を当て,その介護職員を支援する情報技術の開発・導入において現場調査を元に好影響および悪影響の両面から整理することを目的として研究を進めている.情報技術を開発・導入する過程で課題となる事案についてまとめるために介護施設と協議したところ,東京都内の施設から協力を得られることになった.施設の管理者側および現場の複数の職員にこれまで申請者らが取り組んできた研究について紹介し,研究をスタートする承諾を得た.3月には,支援情報システムの設置箇所決めとデータ収集方法の検討のためのトライアル調査を実施した.現在は,本調査に向けた調整を行っている. 情報機器導入を行うには,施設とシステム開発者および家族との間で合意が取られる必要がある.この課題について代表者および分担者でガイドラインの設定を目指して検討を行った.議論の観点は,介護保険など社会制度からみた適切性(森山治),介護方法としての適切性(曽我,森山千),情報技術の可能性と限界(杉原,藤波)であった.また,その結果の一部を,当該施設の管理者側に提示し,意見を求めた.本件については,本実験実施と合わせて進めていくことが確認された. システム導入時には,介護施設の建物の空間的特性を考慮する必要もある.この問題については,これまでに行ってきた研究成果と合わせて考察し,システムを導入することで施設内の情報流通レイヤーを拓く可能性があることが明らかとなった.この成果は,現在論文にまとめて投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究グループ内,および介護施設の管理者,現場職員の方々とも数度にわたって議論を行えており,システム導入における問題点の整理も進んでいる.これまでに市民講座も2度にわたって開催していることからも,課題検討については概ね予定通り進んでいる. 遅れが生じているのは,調査である.研究計画を執筆した時点と現在では,研究代表者の所属組織が変更になったため,対象となる介護施設の選定および交渉に時間を要した.しかし,研究そのものの進め方については,申請した内容からの大きな逸脱はないことに加え,3月には,トライアル調査も実施できている.さらに,研究メンバーおよび施設管理者・現場職員との協議の中で調査すべき項目は絞られてきている.したがって,挽回は十分可能と考え,このカテゴリとした.
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今後の研究の推進方策 |
現在までの達成度でも記述したとおり,研究代表者の異動により施設との交渉が遅れている.研究当初は複数の施設で実施する予定であったが,現段階でこの方策を採用することは現実的に困難である. したがって,現在交渉が進んでいる東京都内の介護施設に絞り調査を行うこととする.この際,対象施設を時間をかけて調査し,分析・考察することで申請時に提示した,介護者を支援する情報技術の開発・導入において現場調査を元に好影響および悪影響の両面から整理するという目的を達成することを目指す. 調査方法については,大きな変化はない.施設管理者および現場職員の両者から,インタビューとビデオ観察を行うことに対しての了解を得ている.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者の異動があり,調査対象施設との調整に時間を要した.その結果,研究計画立案当初予定していたより出張が行えず,持ち越し金額が生じた. 前年度行えなかった調査を今年度実施する予定であるため,予算はそのために使用する.使用金額は,東京-岡山間の2回分の出張である.内訳は,5万円×2名(研究代表者およびその指導学生)×2回分である.
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