研究課題
研究目的:がん医療においては、抗がん治療の初期から患者の生活の質(Quality of Life: 以下、QOL)の向上を図ることが喫緊の課題である。本研究では、診断直後の血液がん患者のQOL向上を目的とした、支持的ケアを提供するための新規の多職種協働ケアプログラムを開発することを目的とする。対象:当施設において新規に悪性リンパ腫、または多発性骨髄腫と診断された患者を対象とする。包含基準は1. 病理学的に悪性リンパ腫、または多発性骨髄腫の診断がされていること、2. 血液がんの診断、治療などのために当院に入院となること、3. 20歳以上であること、4. 日本語の読み書きが可能であることとし、除外基準は1. 面接やアンケートの記入などの調査に耐えうる程度の身体的状態にないこと、2. 重篤な認知機能障害のために調査施行が困難であること、3. 主治医の判断で、本研究に参加することが不適切と判断されることとする。方法:適格条件を満たす患者を連続的にサンプリングする。インフォームド・コンセントを取得後、診断時、診断一ヶ月後、診断12ヶ月後の3時点で評価を行う。具体的には、QOLについてEuroQol-5D、身体症状についてはM.D. Anderson Symptom Inventory、精神症状についてはPatient Health Questionnaire-9という自記式質問票を用いた評価を行う。また各時点において医学的情報、人口統計学的情報に関する情報を本人、及び診療記録より得る。研究成果:本報告書記載時点で228名の患者より、診断時評価の有効データを得た。研究終了時までに240名の患者から有用なデータを得ることを目標とする。またデータを解析・検討を行い、平成27年度末に、診断直後の血液がんを有する患者に支持的ケアを提供するための多職種協働プログラムを開発する。
2: おおむね順調に進展している
平成26年度中において、約220名の患者から初回評価のデータを得ることができ、ほぼ想定通りのペースで進捗している。また1年後評価の脱落率も極めて低く、最終年度である本年度中に解析に耐えうるサンプル数のデータが集まることが期待できる。
現在の調査を継続し、年度の後半に統計解析を行う。
来年度は最終年度であり、データ・資料整理に人件費を確保した。
データ・資料整理のための人件費に使用する。
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