研究最終年度に当たる平成26年度は、これまでの研究成果を踏まえ、東日本大震災において被災者ケアを行っている支援団体への情報共有とICT活用に関する聞き取り調査、東日本大震災において復旧復興支援団体への中間支援を行っている団体への情報共有とICT活用に関する聞き取り調査、ICT企業・被災地支援団体・行政担当者への聞き取り調査および災害急性期・復旧期におけるICT支援のあり方に関する検討を行った。その結果から、1) 支援団体へのICT支援を専門的に行うチームのニーズが高い、2)ファイル共有・データベース構築・アクセスコントロール設定等、情報共有とプライバシー保護の両立に関するスキルへのニーズが高い、3) 効果的な情報共有を実現するためには、災害ボランティアセンター等の現地での情報ハブとなる機関への重点的なICT支援が効果的である、という知見が得られた。
また、被災者ケアを中心とする災害急性期・復旧期におけるICT支援を実現するためのチームの設立に関する検討を行った。具体的には、組織体制、関係機関との協力関係の構築方法、チーム参加者のスキルアップトレーニングプログラムについて検討し、組織としての活動モデルを構築した。
さらに、平成26年度に分析を行った東日本大震災被災地支援活動における情報共有とICT活用に関する調査の報告書を発行した。また、調査結果について国際会議および国連防災世界会議パブリックフォーラムでの発表を行った。ICT支援チームの設立に関する検討結果についても、同様に国連防災世界会議パブリックフォーラムにおいて発表を行った。
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