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2012 年度 実施状況報告書

多世代・多様な人々のインクルーシブな居場所づくりから次世代育成支援の可能性を探る

研究課題

研究課題/領域番号 24616017
研究種目

基盤研究(C)

研究機関相模女子大学

研究代表者

宇田川 久美子  相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (90513177)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードインクルージョン / デンマーク
研究概要

平成24年度の研究実績の概要について以下のように報告する。
札幌市内の「黎明幼稚園」、及び、「黎明幼稚園」に隣接するNPO法人「ねっこぼっこのいえ」(札幌市地域子育て支援拠点事業ひろば型)にてフィールド観察を実施し(合計9回)、エピソード記録、ビデオ記録、聞き取り調査によるデータを収集した。また、「ねっこぼっこのいえ」にレポート作成を業務委託し、具体的な子育て支援活動(主にひろば活動)に関するレポート報告によるデータを収集した。
他に、平成24年11月18日には、北海道が企画運営する「北海道子ども未来づくりセミナー2012」において、基調講演、及び、第2分科会(「ねっこぼっこのいえ」の事例報告含む)への参加を通して、地域で子育て親子をどのように支えていくことができるのかという「地域における子育て支援の可能性」について検討した。さらに、平成25年3月23日には、「ねっこぼっこのいえ」の原型ともなった「むくどりホーム・ふれあいの会」(札幌市地域子育て支援拠点事業ひろば型)への見学を実施した。
その結果、地域の子育て支援において、「支援する側」と「支援される側」が明確に分かれる一方向のケア関係より、互いが互いを「支援する・される」という双方向のケア関係の意義が、また、各々の違いを異質としてではなく、多様性として認めることが可能となる「多世代・多様な人々の居場所」が有する子育て支援の可能性が示された。これより、「黎明幼稚園」の保育実践、及び、「ねっこぼっこのいえ」の活動を分析し、インクルージョンの観点から子育て支援の可能性を究明する示唆を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「黎明幼稚園」、及び、「ねっこぼっこのいえ」へのフィールド観察の実施、また、「ねっこぼっこのいえ」へのレポート作成の業務委託により、データ収集が順調に進んでいる。さらに、平成24年度に収集したデータ、及び、それ以前に収集したデータを分析するための観点についても、平成24年度の研究活動全般を通して得ることができた(双方向のケア関係、多様性を認め合う共生)。これらの理由により、論文作成、研究成果の発表へ向けた準備が整った状態にあるといえる。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策について以下のように報告する。
(1)平成25年度同様、札幌市内の「黎明幼稚園」、及び、黎明幼稚園に隣接するNPO法人「ねっこぼっこのいえ」(札幌市地域子育て支援拠点事業ひろば型)にてフィールド観察を実施し、エピソード記録、ビデオ記録、聞き取り調査によるデータを収集する。また、引き続き「ねっこぼっこのいえ」にレポート作成を業務委託し、具体的な子育て支援活動に関するレポート報告によるデータを収集する。
(2)ノーマライゼーションの提唱者、バンク・ミケルセンの祖国でもあり、インクルーシブ教育への取り組みが進んでいるデンマークの教育現場への視察、及び、コミューン(地方自治体)の障害福祉担当部署への視察により、デンマークのインクルージョンの実態を理解したうえで、日本においてインクルージョンを実現していくための理論的示唆を得る。(デンマーク訪問日程予定:平成25年8月12日~19日)
(3)デンマーク訪問により得られた理論的示唆を参照しながら、平成24年度に収集したデータ、及び、それ以前に収集したデータを分析、解釈し、論文としてまとめる。

次年度の研究費の使用計画

次年度の研究費の使用計画について以下のように報告する。
(1)札幌市内の「黎明幼稚園」、及び、「黎明幼稚園」に隣接するNPO法人「ねっこぼっこのいえ」(札幌市地域子育て支援拠点事業ひろば型)にてフィールド観察を実施するため、また、デンマークにおけるインクルージョン実態の視察のため、「旅費」が必要となる。
(2)「ねっこぼっこのいえ」にレポート作成を業務委託するための「その他(業務委託)」が必要となる
(3)平成24年度に収集したデータ、及び、それ以前に収集したデータを分析、解釈し、論文執筆するため、文献が必要となる。また、資料収集に伴い、通信費なども必要となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 幼稚園を活用した子育て支援の可能性―多世代・多様な人々が育ちあう居場所づくりを通して―

    • 著者名/発表者名
      宇田川久美子
    • 学会等名
      日本保育学会第65回大会
    • 発表場所
      東京家政大学
  • [図書] 発達132「特集現在の保育と遊び」(pp. 10-16「遊びの世界への共感―子どもの体験世界を広げるまなざし」を執筆)2012

    • 著者名/発表者名
      宇田川久美子他
    • 総ページ数
      119
    • 出版者
      ミネルヴァ書房

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公開日: 2014-07-24  

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