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2013 年度 実施状況報告書

特別養護老人ホーム入所者の終末期を支えるチームケアに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24616018
研究機関金城大学

研究代表者

田中 克恵  金城大学, 社会福祉学部, 准教授 (20387393)

キーワードターミナルケア / チームケア / 多職種連携 / 社会福祉関係 / 看護学
研究概要

本研究の目的は、特別養護老人ホーム(以下、特養)入所者の終末期に関わる多職種によるチームケア(本研究では、「施設内外の職種を越えた多職種が利用者情報を共有し、連携・協働するための仕組み」と定義する)の要因を明らかにし、終末期ケアの質の向上に寄与することである。なお、チームケアは、置かれている環境により異なるため、本研究では、先行研究及び研究代表者のこれまでの研究成果から得た特養の終末期ケアの質に関係するストラクチャーの10要素(①医師の24時間支援体制、②常勤看護師の配置、③看護職員の24時間連絡体制、④終末期ケア(看取り)の指針、⑤終末期の判断基準、⑥看取りの同意書、⑦看取りのための個室の確保、⑧家族の宿泊受け入れ、⑨終末期に関する家族への相談・支援体制、⑩終末期ケアに関する職員研修体制)を整えた施設の取り組みに注目する。
厚生労働省「介護サービス公開情報システム」に掲載されていた全国の老人福祉施設のうち、主な介護報酬の加算「看取り介護を実施」として公表されていた施設を対象に、平成25年2月から同年4月にかけて終末期ケア及び多職種連携・協働に関するアンケート調査を実施し、483施設から回答を得た。平成25年度は、主に回収したデータ入力及びデータ解析に取り組んだ。
回答を得た施設のうち、先に述べた特養の終末期ケアの質に関係するストラクチャーの10要素を、全て整えていた施設は119施設(24.3%)であった。一方で10要素を個別で見ると、どの要素も6割以上の施設において整えられていた。特に上記の②③④⑥⑦は看取り介護加算の算定要件であるためか、9割以上の施設において整えられていた。
今後はアンケートで得たデータの解析に取り組むとともに、グループインタビューを実施し、特養入所者の終末期に関わる多職種チームケアの要因、及び要因間の関連を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

平成25年度は、アンケート調査から得たデータを基に特養入所者の終末期に関わる多職種によるチームケアの要因を明らかにし、更に平成26年度実施予定のグループインタビューの準備を進める予定であった。しかし、アンケート調査の内容が多かったことや回答方法がやや複雑であったこと、より適切な回答を得るために調査用紙を2部にしたこと等から、予定より調査票の回収及びデータ入力作業に遅れが生じた。その結果、解析にも遅れが生じている。そのため当初の計画より遅れていると評価せざるを得ない。
しかしながら、今回得られたデータは、職員の終末期ケアに対する思いが読み取れる大変貴重な資料である。今後も丁寧に分析・解析を進め、研究の成果を高める所存である。

今後の研究の推進方策

まず、回収したデータの分析・解析を進めると同時に、平成26年度に実施するグループインタビュー(3回実施予定)に向けた準備を進め調査を実施する。インタビュー参加者については、アンケート調査において協力可能と返答があった施設職員を中心に選定を予定している。インタビューの会場として研究代表者が勤務する大学と、地域性によるデータの偏りを防ぐために、本学以外の地域での実施を計画している。これに係る費用として研究協力者及びインタビュー参加者の人件費及び謝礼は既に予算計上しているが、調査地までの旅費及び会場借料を考慮していなかった。そこで、平成26年度予算にこれを計上したうえで研究を遂行する。
また、グループインタビューで得た質的データの分析にあたる研究協力者として、同じ領域に関心の高い2人を予定していた。しかし、現在の研究の遅れと分析の信憑性と妥当性を高める事を勘案し、研究協力者として質的調査・分析に精通した研究者に依頼することにした。
研究成果発表として、当初の計画では研究成果広報用パンフレットを調査協力施設や関係各所へ発送し、ホームページに研究成果報告書をアップロードする予定であった。しかし、調査協力施設においてホームページより報告書の方がより多くの職員の目に触れ、研究成果の活用に繋がると考えた。そこで、ホームページ作成を取りやめ、報告書を作成し送付することにする。これに伴い、ホームページ作成及びパンフレット作成予算を報告書作成予算に充てて成果報告を遂行したい。

次年度の研究費の使用計画

平成24・25年度に予定していた学会への参加が一部できなかったことや、当初の予定より通信費等の経費が削減できたことが大きな理由である。更に今年度はホームページ作成費用を計上していたが、研究成果の活用のしやすさを考慮し、報告書を作成し送付することとしたため、当費目を施行しなかったことも理由の一つである。また、アンケート調査で得たデータ入力を研究代表者が担ったこともその理由の一つである。
平成26年度に実施するグループインタビューに際し、研究協力者及びインタビュー参加者の人件費及び謝礼は当初より予算計上しているが、調査地までの旅費を考慮していなかった。そこで、今年度からの繰越金をインタビュー調査にかかる旅費に充てることにする。更に、代表者が勤務する大学以外の場所でインタビューを1~2回予定しているが、会場借料を計上していなかった。これにも繰越金を充てたい。
当初の計画では、研究成果広報用パンフレットを調査協力施設や関係各所へ発送し、ホームページに研究報告書をアップロードする予定であった。しかし、調査協力施設においてホームページより報告書の方がより多くの職員の目に触れ、研究成果の活用に繋がると考えた。そこでホームページ作成を取りやめ、報告書を送付することにした。これに伴い、ホームページ作成及びパンフレット作成予算を報告書作成予算に充てるが、不足分は繰越金を充てたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 特別養護老人ホームにおける終末期ケアの構造がケアプロセスに及ぼす影響

    • 著者名/発表者名
      田中克恵
    • 学会等名
      日本老年看護学会
    • 発表場所
      ウインク愛知

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公開日: 2015-05-28  

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