過去17年間に親族による介護殺人(被害者60歳以上)は少なくとも672件発生していた。加害者は男性72.6%、被害者は女性73.8%、夫が妻を殺害する事件が最も多かった。事件は「介護を担う能力に欠ける者」が介護を担うことになり、その者なりに努力はしたが打開策を見いだせず行き詰った時に生じていた。 同様な事件の防止に向け支援が必要な介護者の早期発見が必要である。海外の実践を参考に介護者を対象にしたアセスメントシートを開発、効果検証を行った結果「介護する相手との関係」「自身の生活への支障」「自分の時間を持つことができているか」の項目を用いることにより早期介入が必要な介護者を発見できることが分かった。
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