研究課題
基盤研究(C)
重症心身障害児・者のリハビリテーションにおけるシステマティックな定量的評価指標は現存しないため、その作業は1から行わなければならない段階である。本年度は以下の研究を行い、以下の点まで研究が到達することができた。#1 重症心身障害児・者のための評価システムLIFEの試行案を数回の論議を行い、決定することができた。 #2 LIFEの試行案はPartI 生命維持機能 16項目、Part II 姿勢と運動 16項目、Part III :日常生活活動場面における機能的活動 16項目、Part IV :生産的活動場面における参加 16項目からなるものとして決定した。 #3 その試行案の信頼性について、検査者間信頼性を大阪発達総合医療センターの利用者様を対称に、同センターの理学療法士・作業療法士によって検証した。 #4 その結果、信頼性の高い検査項目と信頼性の低い検査項目を明らかにすることができた。 #5 信頼性が高かった順は、PartII⇒PartI⇒PartIII⇒PartIVであった。#6 結果の検討の結果以下の結論に至った。①PartIVについては根本的な検討が必要である。 ②PartIとIIIについては若干の改善の必要がある。 ③PartIIは軽微な修正程度で十分である。緒についたばかりの研究であるが、重症心身障害への評価指標の試案レベルの提案とその信頼性の検討はこれまでに実施されたことがなく、画期的である。重症心身障害へのリハビリテーションの共通評価が形成される重要な課程にたっていることを自覚して研究にあたりたい。
3: やや遅れている
24年度以内に、信頼性検討を済ませ、内容的妥当性をNominal Gloup DiscussionとDelphy Surveyで行う予定であったが、信頼性検討で被験者数を多めに設定したため、期間を要してしまった。その結果、内容的妥当性がまだ検討できていない。また、信頼性検討で修正すべき点が明らかになったので、その点を再検討しその上でもういちど信頼性検討が必要となるので、内容的な妥当性が順延されることとなる。信頼性が低い部分を抱えたまま内容的妥当性は検討できないため、修正と信頼制裁検討は必要な手続きである。従って、研究進度はやや遅れていると判定した。
25年度は内容的な妥当性の研究からスタートとなるところだが、信頼性検討の結果から修正作業が必要なため、その作業が先行することとなる。それによりできた修正案をもとに再度信頼性検討を行うこととする。その上で、評価指標の内容的妥当性をNominal group discussion, Delphi surveyで明らかにする。一回リサーチミーティングにてNominal group discussionを行い、評価表の検討をおこない、その結果の案をDelphi survey(郵送質問紙法による)にて、発達障害のリハビリテーションに造詣の深い20名から意見をいただく。その結果をもとに二回リサーチミーティングにて評価表の内容を決定していく。Delphi surveyに参加いただくのは医師4名、理学療法士12名、作業療法士4名程度を予定している。三回リサーチミーティングを行ない、評価指標の基準関連性妥当性のフィールドワークによる検討計画を明らかにし、実施する。複数の研究協力者に依頼し、既存の権威ある評価表であるGMFM*などとの本評価表の相関を確認する作業を行う。対象者は複数の施設とし、GMFCSIII~Vの幅にて全体で50名程度とする。*GMFMは脳性まひの運動能力間隔尺度でエビデンスレベルはIaレベルにある
# リサーチミーティング3回分旅費390,000、リサーチミーティング3回分会議費30,000 Delphy Survey郵送費10,000 人件費(Delphy・フィールド) 670,000 以上合計 1,100,000# 分担研究者経費 近藤先生30,000、大畑先生30,000、薮中先生40,000 以上合計 100,000# 備品など PC320,000、プロジェクター180,000、消耗品50,000 以上合計 550,000総 計 1,750,000