ケアされる側にある乳幼児はどのような保育空間を望んでいるのかを、アートワークショップを中心とした創作活動によってリサーチした。子どもたちは身近にあるものを素材とした遊びの中で自分の空間を創出し、その活動は自分たちの身体を拠りどころとしていた。つまり、各自の身体の尺度によって移動し、時に休息しながら空間を創り出し、それを拡張していくのであった。それらの結果から、①保育空間は変容を内在したものであるのが望ましく、②子どもの活動は、絶えず生成と消滅を繰り返す循環型であり、その循環は同じことの繰り返しではなく、緩やかな成長線を描くものであることが明らかになった。
|