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2014 年度 実績報告書

映像アーカイブ環境を活用したメディア文化学の確立:東日本大震災の放送を例として

研究課題

研究課題/領域番号 24617002
研究機関成蹊大学

研究代表者

西 兼志  成蹊大学, 文学部, 准教授 (20599550)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード映像アーカイブ / テレビ研究 / 東日本大震災 / デジタル・ヒューマニティーズ
研究実績の概要

今年度は、これまでの二年度に続いて、震災関連番組を中心に番組アーカイブの構築を進めるのと平行して、アーカイブ化した番組群について、映像解析ソフト「タイム・ライン」を用いて、内容分析を行った。なかでも、「地図」や「証言」がどのように用いられているかという観点から分析を行った。
証言に関しては、たとえば、NHKでは2012年一月以来、『証言記録 東日本大震災』を、ミニ番組である『あの日 わたしは ~証言記録 東日本大震災~』とともにシリーズ化して放送している。あるいは、『東日本大震災 亡き人との“再会”~被災地 三度目の夏に~』は、新しい『遠野物語』とも言うべきものを紡ぎ出すものである。また、地図に関して言えば、携帯端末の位置情報を集積したビッグ・データを用いたCGによる地図(NHKスペシャル『震災ビッグ・データfile1~4』など)や、放射能の被害を描き出した地図(『ネットワークでつくる放射能汚染地図1~6』など)、あるいは、個々の被災者の証言を表したもの(『東日本大震災 巨大津波 その時ひとはどう動いたが』など)、さらには、古地図を今回の被災状況と重ね合わせる(『シリーズ 大震災発掘』など)を始めとして、さまざまな地図が作成され、提示されていることが明らかになった。
以上のようなこれまで放送された番組の分析から得られた知見を、これまで蓄積してきた、ジャンルの混淆――ドキュメンタリーとドラマ、ドキュメンタリーとバラエティーなど――をめぐる分析、また、戦争や災害などについて海外で製作されたドキュメンタリー映画についての分析、そして、それらについての研究についてのサーヴェイと合わせることで、現在のメディア環境・メディア文化をめぐる新たな理論を素描することを試みた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] バラエティ-、コミュニティー、コミュニケーション:コミュニケーション番組としての『探偵!ナイト・スクープ』2015

    • 著者名/発表者名
      西 兼志
    • 雑誌名

      成蹊大学文学部紀要

      巻: 第50号 ページ: 1-14

  • [雑誌論文] 「ハビトゥス」再考:初期ブルデューからの新たな展望2015

    • 著者名/発表者名
      西 兼志
    • 雑誌名

      成蹊人文研究

      巻: 第23号 ページ: 27-61

  • [学会発表] ハイブリット・リーディングとデジタル・スタディーズ2014

    • 著者名/発表者名
      西 兼志
    • 学会等名
      日本記号学会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス
    • 年月日
      2014-05-25
    • 招待講演
  • [図書] デジタル・スタディーズ12015

    • 著者名/発表者名
      石田英敬/吉見俊哉/マイク・フェザーストーン編
    • 総ページ数
      350
    • 出版者
      東京大学出版会
  • [図書] デジタル・スタディーズ22014

    • 著者名/発表者名
      石田英敬/吉見俊哉/マイク・フェザーストーン編
    • 総ページ数
      350
    • 出版者
      東京大学出版会
  • [図書] 大惨事と終末論:「危機の予言」を超えて2014

    • 著者名/発表者名
      レジス・ドブレ
    • 総ページ数
      148
    • 出版者
      明石書店

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公開日: 2016-06-01  

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